働き方改革とか、DX(デジタルトランスフォーメーション)とか近年はいろいろと推進がさけばれるようになりましたが、よく組織内に抵抗勢力がいるんだよ…という話もちょくちょくうかがいます。
そこで「変化に適応する」ためにどうしたらよいか。HERO(心理的資本の要素の頭文字を表す)ならどう解決できるか。そんなことをテーマにコラムを書きたいと思います。
目次
現状維持は悪い事なのか?
現状維持という言葉に対して、どう感じられますか?
最近、ちょっとこの言葉に対する風当たりが強いように感じます。時には「現状維持は衰退の始まりだ!」「現状維持は悪!」みたいな強い言われ方をすることもあります。
いや待ってください、この変化が激しい、先行きが見通せない時代に「現状維持」できていることは、ある意味で素晴らしいことかもしれません。実際にそれはすごいことです。もし業績を現状維持したり、環境変化に左右されず事業をしっかり運営できていて現状維持できているならば、それは実は変化に適応できているからです。だからこの場合の現状維持は悪いことでは無いんですよね。
私もよく映画やドラマや小説などのワンシーンを見て「当たり前と思っている日常のありがたさ」に気づき、感動を覚えることもしばしば。これは、間違いないです。それとこれとは、ちょっと話が違うかもしれませんが(笑)
現状維持といっても、実は様々な捉え方ができます。
今の仕事内容を変えたくない。今の生活を変えたくない。今のやり方を変えたくない。今の立場を変えたくない。今の人間関係を変えたくない。いろいろありそうです。
変える必要の無いものもあれば、やっぱり変化せざるを得ないものもありますし、自ら更新していく必要があるものもあります。
変える必要があるものは、そのままでいると「危険である」とか「価値が目減りしていく」とか、そんなリスクがあるものと言えるかもしれません。
人は本能的に変化が苦手
人は変化を嫌うものだと言われますよね。心理学用語にある「現状維持バイアス」は現状を維持した方が良いとする偏見や先入観。一説では、人間の遺伝子レベルに刻まれた生存本能からというものとも。
先行きどうなるか分からない!見通しが立たない状況は、不安が募り変化への抵抗はいっそう強くなります。変化するということは、それがたとえポジティブな変化であったとしても実はストレスを感じるものです。
そう、誰だって少なからず変化することはシンドイ。
それでも会社や組織や仕事内容は世の中の変化に適応していかざるを得ません。一緒に働く人が変わるかもしれないですし、扱う商材が変わるかもしれませんし、担当する顧客が変わるかもしれません。業務のオペレーションが変わるかもしれません。
そもそも世の中の変化に応じて、自分の知識やスキルはアップデートし続けていくことが求められる時代に!その場にとどまることがリスクになることは、やっぱり間違いなさそうです。
HEROが解決!変化に対する自信をつける
では、変化を前向きに受け入れて、アップデートしていくためにはどうしたら良いのでしょうか。
最も必要なのは行動すること。行動することでしか、新たな知識やスキルは身につけることができません。しかし!その行動をする初めの一歩を踏み出すことが難しいんですよね。踏み出せないから、さらに自信をなくして、ますます動きたくなくなる。現状維持に固執してしまい守りに入ってしまう。意固地というやつ。
そうなる前に(そうなっていたとしても)できることはなんでしょうか。まずは騙されたと思って、以下のちょっとしたワークを継続的に取り組んでみてください。
- 何もしなかった場合のリスクを書き出してみる
- 信頼できる誰かに自分の強みをフィードバックしてもらう
- やりたいことを書けるだけ書き出してみる
- なんでもいいのでやりたいことを実行する
- やってみて良かったことだけを書き出してみる
- 嫌だなと思ったことは無理にでも寛大な心で許す
こんなのやったって無駄だと、一歩踏み出せないとしたら…相当カタイ殻をかぶってしまっているかもしれません!
それはともかく。これはほんの一部に過ぎませんが、行動につながってくる自信をつけていく、変化に適応できる自信をつけていくための方法のひとつです。慣れてなければ、最後の6つ目がハードル高いかもしれませんが!
リスクを書き出す
このまま何もしなかった場合には、どんなリスクが自分や自分のまわりに起こるだろうか?そんなことを冷静に、客観視しながら書き出します。このままではマズイなということも自覚できます。何か具体的な行動を起こしたいと思えるきっかけになり得ますし、あらかじめリスクを想定することができれば備えて準備することも可能になります。
これはResilence(レジリエンス/乗り越える力)の強化につながります。
強みをフィードバックしてもらう
自分の強みって、よっぽど自分を客観視することができなければ、なかなか自分自身では分からないものです。自分では大したことがないと思っていることや、弱みだと思っていることでも他人から見れば強みだと思われていることもあります。信頼している人や、尊敬できる人に時間をとってもらい、ざっくばらんに対話する時間をつくることをおすすめします。自己分析ツールなどを使うのも手ですが、できれば人からフィードバックしてもらう方が効果的。そうしてフィードバックをもらったり相談できる信頼のおける人が存在すること自体も独自のネットワークの資産です。
これもResilence(レジリエンス/乗り越える力)の強化につながります。
やりたいことを書き出す
難しいことは気にせず、やりたいことを列挙してみてください。ここで1つだけ注意したいことは、書き出した内容が「やらなければならないこと」にならないように!(MustやShouldではなくWillを書く!)
仕事でやりたいことに限らず、会いたい人、食べたいもの、行きたい場所、買いたいもの、趣味の世界でも、美容健康に関するものでも良いです。
まずは少しでも「わくわく」する感覚が生まれればGoodですね!
これはHope(ホープ/意志と経路の力)の強化につながります。
やりたいことを実行する
自分がやりたいことなので、行動したくなるはずです。どんな些細なことでも良いので、自分がやりたいことを実行してみましょう。実行することで達成感も感じられると思います。そして行動すること、やりたいことを実現することで、自分自身や周囲に変化が生まれることもあります。そんな状況を楽しめるようになると最高です。
これはEfficacy(エフィカシー/自信と信頼の力)の強化につながります。
良かったことを書き出す
行動して良かったことだけを書き出してみます。あえてここでは反省はしません!とにかく結果の良い面に焦点をあてる訓練だと思ってください。人はネガティブな感情の方が元来強いと言います。放っておいてもネガティブになってしまいがちなので、ポジティブな良いところに注目します。
嬉しかったこと、楽しかったこと、面白かったこと、心地よかったこと、気持ちよかったこと、学べたことなど。
これはEfficacy(エフィカシー/自信と信頼の力)とOptimism(オプティミズム/柔軟な楽観力)の強化につながります。
寛大な心で許す
嫌なことがあったり、うまくいかなかったり、やってみて失敗したり、誰かのせいにしたくなったり。そんな時は「自分は寛大である」と、寛容の精神で自分自身や他者を許してみてください。そうすることで、これはこれで良かったかもな、学べることもあったかもな、と思えるかもしれません。
行動すると、変化が起きます。良い結果ばかりではないでしょう。でも物事は捉え方次第。自分が悪いと思った結果も、冷静に客観的に見てみれば、大切な学びとなることだってしばしばです。事実をどう解釈するかの訓練だと思ってください。
これはOptimism(柔軟な楽観力)の強化につながります。
まとめ
行動する自信・やりとげる自信(心理的資本/HERO)は、変化を肯定的に捉え適応していく、または機会と捉え成長していくために重要な個人の資源・資質になります。
組織にこうした人材が増えていくことで、強い組織になっていきます。変革や進化のためには、変化に強い自律性が大切です。
今回、個人で取り組めるアクションの一部をご紹介しました。自分自身やメンバーに試したいと思っていただけたなら嬉しいです。
しかしながら、実際の現場、組織におけるマネジメントでは、そう簡単にはいかないことも多いものです。人は複雑な生き物です。
私たちは、今回のテーマにもあげたような変化にも強い個人と組織をつくる第三者だからこそできる支援を行っています。実現したいことに応じた人と組織の活性化のソリューションをご提案しますので、お気軽にご相談くださいませ!