Habi*do通信

人生100年時代に備えて知っておきたい「キャリアオーナーシップ」とは

人生100年時代を迎え、自分らしく働こうという考え方が広がりつつあります。
そんな中、注目されているワードの一つに「キャリオーナーシップ」があります。

本来キャリアは誰に与えられるものでもなく、自分で考えるものです。
しかし長く勤めていると徐々にその自覚は薄れ、企業を軸にして自分が動いていると感じる方も多いハズ。

自分でキャリアを築いてきた実感を得られない方は、一度キャリアオーナーシップについて考えてみてはいかがでしょうか。

今回はキャリアオーナーシップについてわかりやすく解説してみたいと思います。

キャリアオーナーシップって?

キャリアオーナーシップとは、自分自身のキャリアに関心を持ち主体的かつ能動的にキャリア開発をすることです。

先行きが不透明な世の中、キャリア形成に関して個人が企業に身を預けるのではなく自分自身で考えるようになりました。

とはいえキャリアオーナーシップは個人のみで完結する話ではなく、企業側の理解も求められます。
企業は従業員がキャリアに向き合えるような機会を提供することが大切なのです。

なぜ今後自分のキャリアを考えなければいけない?

そもそも、なぜ今後は自分のキャリアを考えなければいけないのでしょうか。
そこには「人生100年時代」の存在があるのかもしれません。

日本は、健康寿命が世界で一位二位を争うくらいの長寿社会を迎えています。
ある海外の研究では、日本で2007年以降に生まれた子どもの半数が107歳より長く生きると言われているのです。

2022年現在、国内の定年は65歳。
つまり定年の年齢が引き上がることがない限り、会社を辞めてからおよそ40年以上も余生があります。

そのため社内だけのキャリアに留まらず、外にも視野を広げてより多くの選択肢を持ってキャリア開発をすることが重要となっていくのです。

企業も終身雇用を約束できなくなる

大企業ですら倒産や買収が起こっていて、必ずしも定年まで働けるとは言いづらい状況です。
実際に2021年の日本企業が関連する合併・買収(M&A)件数が2年ぶりに過去最多を更新しました。

また経団連も2018年に新卒就活ルールの廃止、2019年には幅広い分野を手がけるゼネラリストではなく、ある分野に特化したスペシャリストを求める「ジョブ型雇用」を推奨しています。

社員をスペシャリストに育てるためには、社外でも活躍できるようにキャリアオーナーシップを促していかなくてはいけません。

変化する企業の「守る」

キャリアの在り方が変わるなか、企業側の考え方もシフトチェンジしました。

例えば「社員を守る」という意味です。
従来の終身雇用では、雇い続けることで従業員を守ってきました。

しかし現代において従業員を守るということは、「社会で活躍し続けられるようキャリアの開発支援」です。
言い換えれば、社員のキャリアオーナーシップを一緒に考えていくという姿勢のこと。

社員のキャリアオーナーシップを支援する方法の一つがキャリア開発支援です。
キャリア開発支援は、個々がキャリアオーナーシップを考えるときに役立ちます。

企業がキャリアオーナーシップを推進するメリット

キャリアオーナーシップが生まれるメリットは?

キャリアオーナーシップは社員自身が未来の選択肢を増やすだけでなく、企業側にとってメリットがあります。

社内の生産性が上がる

キャリアオーナーシップが浸透した社員は、自ら動ける自律型人材として活躍でき、社内の生産性を上げてくれます。
逆に指示待ちする社員がいる会社では、上司が指示を与える余裕がない場合業務が滞ってしまうでしょう。

また自ら動ける社員は仕事におけるパフォーマンスも高く、能力を伸ばしやすい傾向にあります。

縦の繋がりが強化される

キャリアオーナーシップの推進は上司と部下の関係で成り立つものです。
研修や面談によって社内のコミュニケーションが円滑になり、縦の繋がりが生まれやすくなります。エンゲージメント向上が期待できます。

離職率低下につながる

キャリアオーナーシップは離職率を下げる効果も期待されます。
将来のビジョンが明確になった従業員は、その会社で生き生きと働くことができ希望に満ち溢れるようになるからです。

今の職場でキャリア形成できる環境があるならば、社員もすぐに転職を考えることは少ないでしょう。

また何かあっても自分なら次の道を切り開けるという自信は、良い意味で会社への依存をせず、自律につながります。

キャリア開発支援を始めてみよう

キャリアオーナーシップを推進するには、従業員がキャリアと向き合うための機会の提供が重要です。
具体的なキャリア開発支援にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

社内外の研修

一つ目が社内外の研修です。
例としてキャリア研修やスキルアップ研修が挙げられます。

キャリア研修では年代に合わせたカリキュラムを組むように意識しましょう。
入社したての20代は組織の一員として信頼関係を構築する、ベテランの50代なら役割にとらわれない立ち回り方を身に着けるなど、それぞれ必要な内容が変わってくるからです。

そして次にスキルアップ研修。
キャリアの開発支援を視野に入れた場合、単に社内で成果を上げるだけでなく社外でも通用するようなスキルを身に着けることを目標としなければいけません。

副業

副業を勧めるのも、キャリア開発支援の一つです。
実際に社員800名を対象に行ったある企業の調査により、約7割が副業を通じたキャリア開発を実感しているということが判明しています。
(参考:SalesZine ニュース)

副業率は全体の10%ですが、これから訪れる人生100時代を前に就職・転職市場で副業のニーズが高まっていくことが予想されます。

社内公募制度、社内FA制度

キャリアオーナーシップを浸透されるため、人事主体の異動ではなく社員自身が希望する部署に異動できるような仕組みづくりも大切です。

希望の叶った異動であれば仕事でもモチベーションを保ちながら進められて、キャリアの選択肢の拡大も期待できます。

社内インターンシップ、社外インターンシップ

キャリアオーナーシップを推し進める企業では、社会人インターンシップを受け入れるといった取り組みも増えています。

社会人インターンシップとは、一定期間希望する部署で業務に当たれる制度です。
他部署の業務について理解を深めることで社員に気づきが生まれ、今後のキャリア形成に役立つヒントが得られるかもしれません。

まとめ:企業も個人双方がキャリアオーナーシップ推進の理解を

先行き不透明な時代、キャリアオーナーシップの推進は欠かせない課題となりそうです。

しかし唐突に「キャリアオーナーシップを考えてみよう!」と言っても、馴染みのない社員からすれば戸惑いを覚えるかもしれません。

社員にネガティブな感情が芽生えると、キャリアオーナーシップの浸透は難しいでしょう。
そのため、まずは自社を取り巻く環境変化と求める社員像について、じっくり説明することが大切です。

丁寧な説明を添えることで、社員が自らキャリアオーナーシップを考えるきっかけが生まれるでしょう。