前回の「自分の部下を通じて結果を出すのが管理職~伝える側のスキル」では
「伝達逓減の法則」、
・・・伝えたい内容×伝える人のアウトプットスキル×聞く側のインプットスキル
=聞く側の理解度
を参考に、伝える側の責任とスキルについて考えてみました。
今回は聞く側のスキルについてです。
聞く側は、部下のスキル・能力だから伝える側の上司は関係ない、と考える方も少なくないはず。
確かに、全て伝えた通り受け止めてくれたかどうかまでは上司はコントロールできません。しかしながら、聞く姿勢・感情をコントロールすることはできるはずです。
聞く側のスキル ~身近な例で考える~
例えば身近な例で。
夫婦喧嘩、兄弟喧嘩、親子喧嘩をした後に、相手に「買い物に行ってきて」と言われたとしましょう。
「自分で行け!」という返しも大いにありますが(笑)、たとえ渋々行ったとしても、指示されたものだけ買ってきて、「はいよ!」でおしまい、ということが多くないですか?
これがもし。
お互いにいい出来事があった後に相手から「買い物へ行ってきて」と言われると、「何に使うの?」とか「安い方がいい?高くてもいいものを買う?」「だったら、あのお店がいいよね。」「そうだとしたら、これも必要ではないの?」と、
相手の立場に立って、あるいはもっと喜ばそうと相手からさらに情報を引き出そうとしたり、自分なりに考えて提案したりしませんか?
ここでいう「聞く側のスキル」の醸成は、まさに相手に、「伝えたいこと」に興味を持たせてより具体的に聞きこうとする姿勢(質問・提案)を引き出す関係を、常日頃から上司が作り上げることに他なりません。
彼は聞く能力が全くない、とバッサリ部下を切り捨てる上司は、自分には信頼関係を作る能力がない、と宣言しているようなものです。
もちろん、わからないことがあったら「わかるまで何度も質問していいよ」という心を開いている姿勢をこちらが示すことも大切です。
「聞く側のスキル」=「上司の部下に対する態度=信頼関係」
是非、職場でも勿論プライベートでも実践してみてください。
事がうまく運ぶ確率がみるみる高くなっていく、と思います。