世間で「言い訳」といえば、「みっともないもの」的な印象がありますよね。
それが何故、マネジメント力を鍛えることにつながるのか分からないと考える方も多いと思います。
もちろん、言い訳を積極的に肯定するわけではありません。
自分で自分の行為を言い訳してみる
『何故、遅刻した?』
「電車が遅れて」「目覚ましが鳴らなくて」という定番から、「目にビニールが入って」という意味不明なものまで・・・。
これは実際かつて私の部下だったこともある者が発した言い訳です(笑)・・・言い訳も様々。
言い訳は自分の行為を正当化する時や、許しを請うときに使うことが多いようです。
要するに相手に向かって使うもの。
表題の「言い訳をする」は、自分で自分の行為を言い訳してみるということなんです。
足りないものがわかる
『何故、期限までに出来なかった?』
- 「他の仕事が沢山あったから」
・・・仕事の優先順位の整理が必要?自分で抱えすぎ? - 「期限の意識が薄かった」
・・・何故その期限なのか理解不足?うっかりミス? - 「自分には難しいとわかって」
・・・自分の手には負えないものでも、一旦引き受けたので
自分の言い訳を、辿っていくと、自分自身の行動の傾向や、意識の優先順位がわかってきます。
要するに自己の行動課題が見えてくるのです。
また所属組織の課題も見えてきます。
- 業務量やプロセスの整理が必要かも?
- 中間チェックが出来ていない?目的を理解させていない?
- 教育できていない?SOSが出しにくいムードになっている?
さらに、出来なかったことの言い訳だけでなく、課題の完成度が低かった際の言い訳もしてみると、さらに自分に足りないものがわかります。
「この程度でいいと思った」
「シナリオをイメージできなかった」
「どこで調べればいいのかわからなかった」
「部下に任せていたらこの様なものになってしまった」
ということは・・・どうすればいいか、は、皆さんならお分かりかと。
課題抽出、という堅い言葉のミーティングより、言い訳してみろ!の方が、意外と課題が明確になることもあります。
また、自分自身で言い訳をしてその内容を整理していくうちに、部下の気持ちも自然に汲み取れるようになってくるのが不思議です。
ただし、この言い訳は自問自答が原則。
人前で言い訳ばかりしていると、頼りない上司に見られますのでくれぐれもご注意を。