労働人口の減少、価値観の多様化、離職率の上昇、人材定着が難しくなっている昨今。
企業のエンプロイメンタビリティが問われています。
エンプロイメンタビリティとは何なのか、エンプロイアビリティとの違い、またエンプロイメンタビリティの向上に必要なことに関してもみていきます。
エンプロイメンタビリティ とは
エンプロイアビリティ(employability)
エンプロイアビリティ(employability)とは従業員が従業員として雇用されるに値する能力のことをいいます。
Employ(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせた言葉です。
バブル経済の崩壊やリーマンショックの時にも経験あるように、雇用は景気や経済の影響を受けやすく、終身雇用制度も当たり前でなくなりました。こういった中で、どこへいっても通用する、雇用されうる能力の向上が叫ばれていました。
少子高齢化の進展に伴う労働人口減少、労働市場の流動性が高くなってきた今、エンプロイメンタビリティに注目が集まっています。
エンプロイメンタビリティ(employmentability)
エンプロイメンタビリティ(employmentability)とは「あの会社で働いてみたい」という魅力度のことをいいます。
employment(雇用)とability(能力)を組み合わせた言葉です。
働く場所として選ばれる能力、企業の雇用能力や魅力が必要とされているのです。魅力ある経営ややりがいのある職場づくりがなされていない企業に魅力は感じられず人は集まらないどころか、今いる人材も他社へと流出してしまいます。
企業としてはエンプロイメンタビリティの向上がなくては、企業活動の維持、成果へはつながらないことを意識していかなくてはいけません。
では、エンプロイメンタビリティを向上させるにはどうすればいいのでしょうか。
エンプロイメンタビリティを向上させるには・・・エンゲージメント
給料、福利厚生、早期活躍、女性活躍 等々 はもちろん企業の魅力を高める外的要因であるといえるでしょう。
しかし本当にこれだけでしょうか。
この職場で働くことに一人ひとりが意義を感じ、ステークホルダーはもちろんそれ以外の人に胸を張って語ることができる。そういった人材が存在していること。そして、企業が従業員を人財としてみていることを一人一人が実感している。
そういった企業であれば、従業員一人ひとりは自分の仕事に誇りを持ち、イキイキと仕事に取り組むことができているでしょう。そういった会社こそ「人」を惹きつけるのです。
給料や福利厚生はもちろんですが、「つながり・絆」、「エンゲージメント」こそがエンプロイメンタビリティの向上にはなくてはならないものなのです。
従業員一人ひとりと組織はフラットなパートナーとしての関係。独立、パートナーとの同居や結婚、別居や離婚、妊娠・出産、子育て、介護、そして健康や病気の問題。さまざまなライフサイクルを共に歩む相手なのです。
お互いが成長や成果はもちろん、失敗や悩みも、共有し、共感し、共振できる企業にこそ人はとどまろうと思えるのではないでしょうか。
エンプロイメンタビリティを向上させるには・・・個人も企業も高めていく
また、社員一人一人が成長できる環境や機会を提供することが必要とされています。
従業員一人ひとりの成長が企業を支え成長に導きます。エンプロイアビリティが向上、結果としてエンプロイメンタビリティの向上につながるのです。
上から言われた通りに仕事をこなし、終身雇用を守る時代は終わりを告げました。社外でも活躍できるそういった力を持つ人材を創ることこそが、企業としての競争力を上げるといえます。
そのためには、社員自身での成長を望むのではなく、会社が積極的にその成長を促すことが必要となります。
エンプロイアビリティの高い人は、組織形態の変化や配置換え、労働環境の変化といったことへの適応能力が高いとされています。また、その人が周囲へ良い影響を与えることも考えられます。
エンプロイアビリティの高い、優秀な人材が多く存在する企業には、多くの人材が集まってくるでしょう。
メンバーの一人ひとりの成長を支援することは、結果的に安定した人材定着につながります。そして成長を支援する制度に魅かれる優秀な人材を惹きつけることにもつながるのです。
まとめ
雇用する側、される側ともに高め合う、そういった存在でなくては企業の存続は難しくなる時代となってきています。
エンプロイメンタビリティーみなさんの会社は社員のエンプロイアビリティ向上の支援や自社の魅力を高める施策、されていますか。