Habi*do通信

日本における外国人労働者受け入れの現状と課題~受け入れ先進国ドイツとは~

少子高齢化。
日本だけでなく、ドイツもその例外ではありませんでした。しかし、出生率の低下が深刻だったドイツが一転、ベビーブームに沸いています。

なぜドイツの人口が増加したのか、どのように労働力不足を乗り越えてきたのか、日本の現状とともにご紹介します。
また、2019年より日本も外国人労働者の受け入れを拡大していきます。外国人労働者の採用・雇用によるメリットや課題、必要なこともまとめます。

移民国家ドイツの現状

ドイツ出生率推移

世界経済のネタ帳より引用

人口が維持されている中、出生率が低下。社会の高齢化に悩んでいたドイツ。減り続ける労働人口を補うために、ドイツは「移民国家」と位置づけ、そちらに舵をきりました。

高技能・高学歴を持ち、税金や社会保険料を支払い、法律を順守して価値観を共有する外国人の移民を歓迎しています。
8年間企業で働くことで、無期限の滞在許可を取得することができます。ドイツ語、この国の文化や歴史、地理に関するテストに合格することで帰化することができます。
無期限ビザや国籍の取得、日本よりもはるかに容易にできる仕組みを整えています。

ドイツ
2014年にドイツに定住した外国人の数は57万7000人。外国人および帰化した外国人は1860万人、比率は22.5%にのぼります。

日本における2018年末現在における中長期在留者数は223万2,026人,特別永住者数は32万9,822人で,これらを合わせた在留外国人数は256万1,848人。前年末に比べ,17万9,026人(7.5%)増加したとはいえ総人口に対する比率は約2%です。

日本の現状そして今後

2017 年10月末時点で、外国人労働者数は1,278,670人で、前年同期比194,901人、18.0%の増加。平成19年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新しています。
それぞれの企業の外国人採用数は、30名未満の外国人を採用した企業が33.9%、30~99名以下が18.0%、100~500名未満が22.5%、500名以上が20.5%となっています。どの規模の会社においても外国人労働者数は増加しています。

(厚生労働省「外国人雇用状況」より引用)

外国人労働者
2018年6月15日、「骨太の方針2018」が閣議決定され、今後、外国人に対して新たな在留資格を設けることなどが明らかにされました。これまで認めてこなかった外国人の単純労働に門戸を開き、2025年までに50万人超の就業を目指していきます。2019年4月より外国人労働者の受け入れが順次拡大していくことになっています。

外国人労働者が増えていく。グローバル化やダイバーシティが進み、多様な価値観をもつ部下が増えていく。外国人の上司や部下が配属されることは当たり前、そんな時代はもう目の前まで来ているのです。

外国人労働者を採用・雇用するメリット

グローバル化が進む日本のビジネス。さまざまな価値観を持つ外国人労働者の採用はキーとなっています。

海外進出
2015年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)によると、外国人社員を採用・雇用するメリットには、「販路の拡大」 を挙げる企業が外国人社員を雇用・採用を検討する企業の46.0%と規模を問わず高くなっています。企業規模別にみると、大企業では「対外交渉力の向上」(44.5%)、中小企業では「販路の拡大」(47.6%)の回答割合が高くなっています。また、外国人材へのニーズについては、国内の外国人留学生を採用した(もしくは採用を検討している)企業が同47.9%と最も多く、大企業では58.7%に及んでいます。

すでに多くの企業で外国人社員の採用・雇用に対するメリットを感じているのです。
国内のマーケットの多くが縮小に向かう中、海外進出や販路拡大が必要になっています。
販路拡大、新規顧客の創出のためにも、対外交渉可能な語学力を兼ね備え、現地のことをよく知る外国人へ事業の一環を任せること。大企業に限らず中小企業においてもひろがっています。
また日本人にはない発想やアイディアは新たな製品開発をもたらしたり、周囲の刺激にもつながるでしょう。国際感覚を身につけた人材の育成にもつながります。

外国人労働者の受け入れ 今後の日本企業に必要なこと

もちろん外国人労働者の受け入れにも課題はあります。
2015年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)によると、外国人社員の採用・雇用における課題としては、「組織のビジョンの共有が難しい」(回答企業総数の20.1%)、「日本人社員とのコミュニケーションに支障が多い」(19.0%)などを挙げる企業が多くありました。また、外国人社員との「言葉の壁」への対処方針について尋ねたところ、「日本語、外国語ともに堪能な人材を採用」(言葉の壁を認識する企業の26.6%)、「外国人社員に対する日本語研修の実施」(20.8%)を挙げる企業が多くいます。一方、「特別な取り組みは実施していない」と回答した割合も同36.3%と高く、特に中小企業では同39.3%に上りました。

会話
コミュニケーション。
日本独特の阿吽(あうん)の呼吸や言わなくても分かってもらえる、は通じないことはまず分かっておかなくてはいけません。
日本の企業で働こうと思ってくれている外国人労働者は少なからずとも日本という国や人に興味や好意を抱いてくれていると思います。同じようにこちらからも、相手の国や人に興味を持ち知ろうとすることがまずは大切です。

外国人であろうと日本人であろうと男性であろうと女性であろうと・・・根本は何ら変わらないように思います。その人のことや気持ち、そして相手の国の文化を理解をし、そのうえで一緒に頑張る・取り組む姿勢を見せる。自然と相手も一緒に取り組んでくれるはずです。
相手のことを理解する思いやる気持ちがなければ、日本人同士だとしてもコミュニケーションはうまくいかないでしょう。

ダイバーシティ&インクルージョン。
日本では当たり前のルールは当たり前ではないこと。自分にとっては当たり前のことが他人にとっては当たり前ではないということを改めて再認識する必要があります。
仕事や規則に対しての価値観の違い、生活の違い・・・お互いの「違い」を理解していくことが一緒に働く上では重要となります。
女性の活躍、高齢者の雇用と同様、外国人労働者が受け入れられ、安心して仕事ができる環境とは、既存の社員にとっても働きやすい・続けていきやすい職場環境です。

スモールステップで基本から一個一個目標を達成することを支援する。なぜこういったことが必要なのか、やらなければいけないか背景を説明した上で仕事に取り組んでもらう。いつでも相談できる相手や環境を創り出す。
そもそも外国人と割り切ったものでなく全従業員に対して、形式的なものではなく実際の現場に取り入れられるべき方法です。日本の企業において女性活躍や高齢者の雇用に限らず、本来のダイバーシティの実現が急務となっています。