Habi*do通信

適性検査をコミュニケーションツールに有効活用

今回は管理職として適性検査の有効活用方法をお話します。

適性検査

実は、先日クライアントの社長とこんなやり取りがありました。

社長曰く「全社員の適性検査をやって、自分の性格が近い者がだれなのか、またそうでない者が誰なのかを知りたいんです。」と。
「何故ですか?」と理由をお聞きしました。

社長曰く「近い者に対する話し方と、そうでない者への話し方を変えないと同じメッセージでも全員に伝わっていような気がして・・・。」
私はホッとして、「よくその部分に気付かれましたね!是非!」とお答えしました。

このクライアントは、採用時には弊社で適性検査を実施し、その傾向をアドバイスさせて頂いておりました。
しかし、採用時の諸事情で全員にやっていた訳ではありません。在職者の7割以上は面接だけで採用した方々です。

そして最近スタッフとのコミュニケーションギャップを社長自身が感じている。適性検査を有効活用したいということでした。

適性検査の結果を利用 タイプにあわせた効果的なアドバイス

弊社が実施している適性検査は「個人特性分析CUBIC」。

まず、社員全員が実施したところで、それぞれの項目別・タイプ別に分析し、社長との距離感を表にしました。そしてそれぞれに対してどう接したら効果的なのか、アドバイスをさせて頂きました。
以下は、ほんの一例です。社長のタイプ別

タイプ1 従順性が低く、自主性が高い

従順性が低く、自主性が高い社長。

同じタイプのスタッフには、元々命令口調には抵抗がある人たちなので、「これをいつまでに仕上げておいて!」だけではダメ。
背景や理由が理解できないと腹落ちせずに実行し、期待したフォーマンスが出ないこともあるので、指示(背景・理由の説明)は特に丁寧に。

タイプ2 規則性・秩序欲求が低く、伸張性・責任感が高い

規則性・秩序欲求が低く、慎重性・責任感が高い社長。

知的レベルが高ければ目標に向かって最短距離で動き、且つゴールの精度も高いタイプです。
逆に規則性や秩序欲求が高い人は、決まった作業プロセスを一つ一つこなしていかないとゴールにたどり着けないタイプなので、
「何でこの仕事にこんなに時間が掛かっているの?」
「何でそんな必要ない作業をしているの?」はダメ、それが彼らの個性なのだから。
そうならないためには、必要ないプロセスを予め指示しておくなどしてゴールと作業のつながりを理解させることが必要。

タイプ3 協調性、共感性、親和欲求が高い

協調性、共感性、親和欲求が高い社長。
人との関わりを面倒がらないので、目的達成に為には気軽に様々な人を巻き込める。
各項目が低いスタッフは、個人業務の没頭したい、人とつながるなら実力者と。という傾向があり、自ら情報共有をすることが苦手なタイプなので、
「それくらい情報共有しておいてよ!」「何で彼に聞かなかったの?」
はムリ。
こういう人たちには前後工程への報連相のルールを明確するなどして、チームの情報共有を促進する仕掛けをすることがポイント。

等々。

このクライアントのスタッフとは、私はほぼ全員の面談をしています。ですので、スタッフのことはよく理解しています。決して業務パフォーマンスや知的レベルは低くない集団です。
それでも多忙な組織ではこういうことが起こっている、ということです。

社長も「そういわれてみれば、すべてやってしまっている・・・。」
と納得され、明日から朝礼や個々のコミュニケーション法を少しづつでも変えてみる、とのことでした。

適性検査の有効利用はチーム活性化、成果創出にもつながる

適性検査と言えば、主に使われる場面は採用時の判定用、それも参考資料として、が圧倒的に多いと思います。
そして入社後は、本人の履歴書と一緒にファイルに入れて保管する、という程度ではないでしょうか。

点の結果ではない

配属の参考資料や正社員登用の際の参考資料にする会社もありますが、いずれにしても、点の使い方で終わっていることが多いと思います。

折角使うなら、一人ひとりの傾向を知ってもっと有効に使ってみましょう!
性格を理解して接し方を変えると、スタッフ一人ひとりは以前と動きが全く変わってくると思います。また、チーム活性化、成果創出にも直結することと思います。