Habi*do通信

飲食業界における人手不足~効率化が進む中で最も重要なこととは~

中華料理

中華料理店が中華鍋をリストラ!?
とてもインパクトのあるニュースがテレビや新聞、ネットニュースに飛び交いました。

ギョーザ専門店「大阪王将」では中華鍋の代わりに中華鍋と比べてもそん色ないチャーハンや炒め物を作れるという特殊な調理機械を導入。中華鍋を扱える“職人”がいなくとも、店舗で料理の品質を下げずに調理をできるようにしたといいます。中華鍋は重く、振るのに技術も必要。そのため多くは店長や社員が調理を担当していたそうです。また、このシステムを試験導入した店舗では6~8%の人件費削減につながったいうデータも発表されました。
(参照:中華料理店が中華鍋をリストラ!? 大阪王将のハイテク「職人レス店舗」とは

飲食業界 人手不足・マネジメントの現状

慢性的に人手不足に陥っている飲食業界。

株式会社帝国データバンクの調査(人手不足に対する企業の動向調査 2018年4月)によると、飲食店において正社員について「不足」していると回答したのは63.6%。全業種における不足の回答が49.2%だったことからみても、他業種よりも人手不足がより深刻であることが分かります。
また、非正社員が「不足」していると回答したのは77.3%。全体で32.1%が不足を感じており、最も人手が不足していると感じている業種が「飲食店」となっています。

ウエイター

飲食店におけるマネジメント。

多くは店長に任されていることが多いのではないでしょうか。
営業や経営面での運営や責任、シフト調整や人材育成など、幅広い部分を見ていかなくてはなりません。さらに、自分自身も店舗で働き、従業員たちのフォローや職場環境を保っていく必要があります。
これらの仕事をすべてこなし、尚且つ売上を上げ店を繁盛させていかなくてはなりません。

人材不足に拍車がかかる今、毎日あまりの忙しさに経営、そして人材に関して振り返る時間さえないというのが現状です。

IT化により業務を効率化する。人がやるのと変わりなくできる部分は機械に任せる。(むしろ機械の方がより正確に速く行えるかもしれません。)しかし「人」にしか行えない部分はたくさんあります。
ただ空腹を満たす、それだけのために飲食店で食事するわけではないと思います。美味しい料理、きれいな店内、モノの提供だけでなく、笑顔やホスピタリティーあふれる姿勢。
飲食業界において「人」こそが付加価値です。

業務・マネジメント効率化 「人」の重要性

「人」を輝かせるために、働く人がイキイキ日々成長できる職場づくりをするにはマネジメントが重要となります。ITツールによって業務を効率化し、生まれた時間を従業員のマネジメントに割くことが大切です。

日々体重計にのることを習慣化しただけでダイエットに成功?!そんなことが実際におきます。毎日体重計に乗ることで知らず知らずのうちに食事や歩数を意識した行動に移せるようになるからです。
飲食店における損益、数字で管理そして日々振り返ることで現状を把握するだけでなく、それに対する次のアクションや改善点を意識、行動につながります。
従業員マネジメントにおいても一人一人の日々の頑張りを見ること、現状を把握すること、まずはそれが第一歩です。
頑張っても報われない、こんなに忙しく頑張っているのに誰も評価してくれない・・・
従業員一人のモチベーションが下がるだけでなく、全体に悪影響を与えてしまいます。「頑張るだけ損」そういった風土や従業員のマインドをつくり出しかねません。
マネジメントを行う側においても日々状況が分かることで、次アクション、軌道修正をよりスムーズに行うことができます。

デジタル

現状の組織の状況から問題点や改善点を把握し、適切な打ち手を特定するための調査を指す組織診断・組織サーベイ。人材情報の見える化、組織働き方の見える化、採用の見える化を行うタレントマネジメント。
組織や部下マネジメントの助けとなるクラウドサービスも多く存在しています。業務の効率化だけでなくマネジメントの効率化をもITが助けてくれる時代です。

今日新しい料理を一つ覚えた。 こちらから指示なくお客様への声かけをした。他のスタッフを気にかけサポートしていた。 どんなに小さなことでも、行動や頑張りを認めることそして褒めること。悩んでいること、楽しいこと、苦しいこと、共に分かち合い共感すること。どんなにIT化が進んだとしても「人」にしかできない部分が、「人」でなくては意味のない部分が存在します。

あらゆる業界において効率化が進んでいます。しかしそういった時代だからこそ、人にしかできない「アナログ」な部分、それこそが業務においてもマネジメントにおいても重要視されている時代であると思います。
「人」にしかできない部分ーそこを大切に取り組んでいかなくてはなりません。