ダイバーシティ・マネジメントに必須の寛容性というスキル – Habi*do

ダイバーシティ・マネジメントに必須の寛容性というスキル

エンゲージメント基礎知識

ともすれば人はみんな違うものです

人材の多様性を受け入れ活かすことは、今やどのような企業・組織にも求められているのではないでしょうか。多様な人材が組織の中で活躍することは、変化の多いビジネス環境にも適応しやすいと言われています。顧客の価値観が多様なら、サービスや商品開発などどのような価値を提供するのかという視点でも多様さが求められます。
こうしたことが「ダイバーシティ・マネジメント」が一般的に組織力強化のために必要なことと言われる背景です。

新規採用が困難を極めているという理由で必要性に迫られている企業もあるかもしれません。しかしながら、人材不足を補う手段ということは本来の意図ではありません。

人種・国籍・性別・障害・疾患・年齢・使用言語・信仰などはわかりやすい分け方かもしれません。
最も分かりやすい例でいえば、極めて同質性が高い男性中心の職場も多かった日本においては、同じ役割を持つ女性が加わることだけでも大きな変化と捉えられます。
それゆえに、あえて「女性活躍推進」をうたう企業も多く、「女性活躍=ダイバーシティ」となりがちですが、それはとても狭義なダイバーシティです。

実際に外国籍の人材を受け入れることで人種・国籍といった文化の違いをお互いに理解することを推進したり、単純な性差を超えたLGBTを含むセクシャルマイノリティを認めるための活動をしたり、目に見えて変化をしようとしている企業も増えていると感じます。
またテクノロジーの進化や普及に伴い働きたくても働けなかった人たちが働ける世の中になりつつあるのではないでしょうか。

1つのことのとらえ方も人それぞれ

一方で見た目にわかりづらく、以前から当たり前にそこに存在している「多様性」があります。
それは性格であったり考え方、その人の社会的背景や生まれ育った環境、学んできたもの、影響を受けたもの、好き嫌いなどの「価値観」です。

実際に企業経営の中で、人材の違いを活かすことが良いとわかっていても、簡単にはいかないもの。その理由の多くは価値観の部分かもしれません。
ダイバーシティが企業経営に必要だ、組織マネジメントに必要だとわかっていてもうまくいかないということはよくあります。

そもそも「多様性を認める」ということは「違いを認める」ということです。
「違い」というのは多くの人にとっては「違和感」と捉えられるものなので、拒否反応が出て当然だと思います。

ではその違いをどのように乗り越えるのかという点が大切になってきますよね。

違いを楽しめるくらいの寛容度が必要

違いを受入れ楽しみ成長する

先日、当サイトで公開した豊田通商株式会社の山際副社長のインタビューにこうあります。

日本は、製造業など強かったところでは、男性やシニアが中心のマネジメントしてきました。まさしくハイコンテクストの中の同質性のマネジメントだったといえるでしょう。産業界としても垂直統制型、マネジメントの仕方も垂直統制型というところがあって、その中でちゃんとやってきた人間が評価されたり昇格してきたという歴史があります。

そんな中で働き方改革です。今の環境変化を見ると、多様性を活かしながらイノベーション起こすというのが本来の働き方改革の目的だと思うのです。
多様性を活かそうとすると、これまでを父性型マネジメントだとすると、これからは母性型というか、寛容度をあげるというか、EQ、SQをあげるとか、多様な価値観を認めるとか、違いを楽しめるという部分が必要になってくるんですね。
これからは多様性を活かした企業だけが生き残るー山際邦明氏インタビュー(3)働き方の変容とダイバーシティより

頭でわかっていても、簡単にはうまくいかないダイバーシティという考え方。本当に全員が違いを認めるということは難しいでしょう。もしそれができていれば世の中に戦争や紛争といった争いごとは起きるはずがありません。

ただ、ビジネスの場、組織内においては「寛容」をスキルとして意識し磨き実践していくことはできるのではないでしょうか。
目標を共にし、同じベクトルで前進する仲間だとすれば、考え方ややり方の違いはあったとしてもゴール地点は同じところを目指しているものと思います。
(そもそも、共通の目標を共有できていないということだとすれば、それはまた別の問題です。)

異なる意見や考え方を認めること

時には意見を戦わせる必要があることもしばしばです。お互いがやり方に納得できないということもあるでしょう。
そこで一歩ひいて客観的になり「寛容」を意識してみる。
すると「その考え方も一理あるな」「もしかするとこの情報が足りないのかもしれない」「その手があったか!」と、冷静になれます。
主張が食い違う時には、何かしら理由があるからです。

こう考えれば、ビジネスシーンで「寛容」を意識できるかどうか、大人な対応ができるかどうかというのは大切なスキルです。

もちろん、明らかにやってはNGな行動をした場合は、その行動についてしっかりとフィードバックをする必要があるでしょう。人間として否定してはいけません。
また、「違う」ということは「悪」というわけではりません。善悪とは切り離して考えるべきでしょう。

極論をいえば、目的・目標を達成するためにお互いに違いを理解しあっていたとしても、プライベートまで仲良くする必要はないということかもしれません。ビジネスの場面では割り切るということも一つの方法かもしれません。もちろん、公私ともに信頼できる間柄であるにこしたことはありません。

信頼関係は一朝一夕につくられるものではなく、きっとお互いに認め合う部分があってこそ生まれるものだと捉えれば、やはり第一歩は違いを認め尊重することから始まるといっても過言ではありませんね!

そして何よりも「違いを楽しむ」くらいの「ポジティビティ」を持っているかどうかが人材要件になってくるのではないでしょうか。

働き方改革に求められるダイバーシティ

働き方に多様性が求められる背景

働き方改革は勤務時間を短くすることとイコールではありません。本来の意図は、多様な人材が力(パフォーマンス)を発揮するための改革のはずです。そのため、ダイバーシティ・マネジメントの考え方は切っても切り離せないものなのです。

ご家族や身体の都合で長時間働けない人や、出勤ができない人がいます。逆に残業代なんて必要ないから働きたいという人もいます。スキルアップ・キャリアアップのために働く人、生活のために働く人、社会貢献のために働く人、趣味のために働く人など、働く理由からして多様なわけです。リモートワークや、副業兼業を認める動きも働き方改革の一環に含まれる理由です。

人材不足も相まって、より働き方改革の本質的なものが求められているのではないでしょうか。

どちらが先かという話かもしれませんが、実は働き方改革は、ダイバーシティ・マネジメントの一部に過ぎないのかもしれません。

心理的安全性(Psycological-Safety)もダイバーシティ・マネジメントの成果

Googleが社内で実施したチームの生産性に関する実証研究(プロジェクトアリストテレス)にてわかったハイパフォーマンスチームの共通点「心理的安全性(PsycologicalSafty)」というものがあります。

心理的安全性とは、チーム内で自分らしく振舞えるかどうか、気兼ねなく発言できるかどうかという場の状態や雰囲気から生まれるものとされています。
これはまさしく、組織内のメンバーが人種や性差や信仰を超え、なおかつ価値観が違っていても、意見を率直に出すことができる状態ではないでしょうか。

では同質的な組織のほうが意見を言いやすいのではないかという意見が起こりそうですが、それは根本の議論に戻ります。意見をまとめることが目的ではないはずです。同質組織は変化に弱いとされます。変化の大きい時代に柔軟にスピード感をもって対応できなくなった組織は、滅びてしまう運命にあるのではないでしょうか。

お城の石垣

お世話になっている方から時々聞く分かりやすい話があります。「ブロック塀」と「石垣」の話です。

見た目はきれいに整っているブロック塀は、衝撃や揺れに弱くてすぐに壊れてしまう。
石垣は、大きさも形も色も凹凸さえ異なる石や岩からできていますが、頑丈でそう簡単には崩れない。

凸凹している状態でも、しっかりと目標を共有し、価値観や行動を認め合い、お互いの強みを尊重しながら補完しあい、がっちりと信頼関係で結ばれたつながり(エンゲージメント)があれば、とても強い企業組織になることは間違いありません。

橋本豊輝

人材系企業にて営業・営業企画を経て、Be&Doの設立に準備期より参加。ITを活用した人材育成や組織活性化のプロジェクトにかかわる。100社以上の実績に基づき「Habi*do(ハビドゥ)」を企画設計。主に開発プロジェクトマネジメント、マーケティング・営業・開発チームのマネジメントを行っている。
採用・人材育成・教育・組織に関する領域に13年にわたり従事。特に組織行動論、ゲーミフィケーションやソーシャルラーニングの研究がライフワーク。

企業課題は従業員の「エンゲージメント」が解決の糸口に。

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