Habi*do通信

やる気を高めるには「承認」~内発的動機付け・マズローの欲求段階説より考える~

夕日とスケボー

・はじめたばかりのブレイブボード、乗れるようになりたくて練習していたらいつの間にか日が暮れていた。
・読み始めた小説、面白くて没頭して読み続けていた。
・ゲームをクリアしたくて何時間も集中してプレイしていた。

時間を忘れて夢中になる、みなさんもそんな経験はあるのではないでしょうか。
このような報酬や罰則などがなくても自分自身から発生しているやる気を「内発的動機づけ」と言います。

また、それに対して「外発的動機づけ」なるものもあります。評価や報酬、あるいは称賛や罰則などの自分以外の自分の外側の要素によって起こるやる気のことです。

・ボーナスを多くもらって海外旅行にいきたいから頑張る。
・家族に褒めてもらえる・お小遣いをもらえるから家事を手伝う。
・成績が悪いと怒られてしまうので頑張る。

外発的動機づけによって仕事や家事に取り組むことも多くあります。

心理学の考え方で、動機付けには「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の二つがあるとされている。外発的動機付けは行動の要因が評価・賞罰・強制などの人為的な刺激によるものであるという考え方に対し、内発的動機づけは行動要因が内面に湧き起こった興味・関心や意欲によるものであるという考え方である。
一般的には、外発的動機付けの効果は一時的であり、人格的成長には必ずしもつながらないという見解があるが、外発的動機付けによって行動をしているうちに、次第に興味・関心が生まれ内発的動機付けへと変化していくこともあると言われる。
リクルートマネジメントソリューションズ 用語集 より引用)

“やらされている・やらなければならないからやる”のではなく”やりたくてやっている”。内発的動機づけの特長であり、自身の幸福ややりがいにもつながるため持続力もあります。
内発的動機づけからの行動を促すにはどうしたらいいのでしょうか。

内発的動機付けからの行動 「承認」が重要

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されています。低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされます。マズローの欲求段階説、聞いたことがある方も多いかと思います。
マズロー

  • 第1階層 生理的欲求

生きていくための必要な基本的な本能的な欲求です。
(おなかがすいたから食べたい、夜になったから寝たい 等々)

  • 第2階層 安全欲求

危機を回避したい、安全・安心に生活がしたいという欲求です。
(風雨にさらされない家で暮らしたい・健康に元気に生活したい 等々)

  • 第3階層 社会的欲求

(会社、家族、国家など集団・グループに所属したい、趣味における仲間が欲しい 等々)

  • 第4階層 尊厳欲求

(認められたい、尊敬されたい 等々)

  • 第5段階 自己実現欲求

(自身の力を発揮しあるべき自分へなりたい 等々)

第1から第3階層までが「外発的モチベーション」
第4から第5階層までが「内発的モチベーション」です。

会社への所属やビジネスのつながりの中で生活しているとすると、第3階層までの欲求が満たされていることになります。つまり、第4階層の「認められたい」「尊敬されたい」という尊厳欲求を持っている方が多いということです。
そして、第4階層の「認められたい」「尊敬されたい」という尊厳欲求はやりがいにつながり持続性の高い「内発的モチベーション」です。

また、楽天リサーチ株式会社の調査によると、「仕事へのモチベーションが最も上がる瞬間はいつですか?」の問いに対して、23~26歳で「誰かに褒められた時」が第1位、27~29歳で第2位となっています。

23~26歳
1位 誰かに褒められた時 28.8%
2位 誰かに感謝された時 19.7%
3位 目標が達成できた時 15.6%
4位 自分のやりたい仕事に取り組めている時 8.7%
5位 昇給した時 7.4%
6位 その他 19.8%
27~29歳
1位 誰かに感謝された時 22.9%
2位 誰かに褒められた時 22.0%
3位 目標が達成できた時 14.4%
4位 昇給した時 9.7%
5位 自分のやりたい仕事に取り組めている時 8.7%
6位 その他 22.3%

やったことを周囲が承認してくれることで「自分ならやれる」「できそう」とそれ以降の行動に関してもポジティブな気持ちで取り組むことができます。
逆に言えば、自分のことを分かってくれない、認めてくれない同僚や上司、会社のためには力を発揮することはできないということです。承認しあえる、信じあえるからこそ、モチベーションが向上し期待を超えるパフォーマンスが引き出されるのです。

内発的動機づけからの行動を促し、モチベーション高い状態で仕事に取り組むには「承認」が重要です。