成果を最大化するために重要な心理的資本(PsyCap)とは? – Habi*do(ハビドゥ)

成果を最大化するために重要な心理的資本(PsyCap)とは?

エンゲージメント基礎知識

心理的資本とは

資本という言葉には様々な定義があります。
まとめるならば「経営・事業を行うための元手となるもの」ということです。

経済学では資本は,土地,労働と並ぶ重要な生産要素で,それは大部分が工場,機械などの生産設備の形をとり,一部は製品,原材料,仕掛品などの在庫の形,あるいは建物の形をとる。すなわち資本は企業が生産要素として生産過程に投入するために保有する中間生産物であり,労働や土地などの生産要素をいったん変形して迂回生産を行うための手段としてとらえられる。これに対し会計学における資本は,外部から資金が企業へ入ってきた源泉をさし,貸借対照表上において資産と負債の差額としてとらえられる。資本は,ほかにも純資産,正味身代,自己資本などとも呼ばれる。具体的な内容としては,資本金,資本準備金,利益準備金,任意積立金,当期未処分利益の合計額である。ーコトバンクより

一般的な定義を上記に引用しましたが、行動経済成長期、バブル崩壊を経て、現在ではビジネス環境・市場の多様化や、先行きが不透明かつ流動的な時代となり、資本の考え方も研究者の間では様々に議論をされています。

時代の変化とともに、より人材に重きを置く人的資本(HumanCapital)という考え方も普及しました。
その人材のスキルや知識を高めるためのトレーニングや教育によって、その資本は蓄積されるものと考えられています。

また人間関係資本・社会関係資本(Social Capital)という考え方も近年見られました。
人材が社内外での信頼関係に基づくネットワークにより、協働・協調が生まれるという考え方です。

その会社がこれまでに投資して大きくしてきた設備や仕組みなどの環境も、よりいっそう従業員の知識や技能を高める人材育成に投資をしてきたことも、これまで積み上げた人的ネットワークも、どれも重要なその企業の資本なのです。

ところが、それら経営資源・事業を進めるための資本が充実していたとしても、それを使って事業を推進するのは現場のひとりひとりの人(従業員)です。

良い設備やツールを導入していても、最高の教育を受けてきて技術的に優れていても、それをどのように使うかというのは、従業員の心構えやメンタリティによって変わってきます。当然ですが、その創造性、パフォーマンスや成果といった生産性にも直結するものです。

貴重な経営資源を宝の持ち腐れにしないためにも、従業員をポジティブな心理状態にすることはとても重要なのです。これは「心理的資本(Psycological Capital)」と呼ばれています。

心理的資本とはどのようなもの?

チームワークを生むのもここから

心理的資本の中身はどのようなものなのか。頭文字をとって「HERO(ヒーロー)」と覚えるとわかりやすいです。

H→Hope(希望)
E→Efficacy(効力感)
R→Resilience(レジリエンス)
O→Optimism (楽観性)

日本語に直訳すると、少しニュアンスが難しい部分もありますが、Hope(希望)、Efficacy(効力感)、Resilience(レジリエンス)、Optimism(楽観性)がその中身です。

ひとりひとりの従業員の「心理的資本」が高まるようなマネジメントを行うことや、環境づくり・仕組みづくりをしていくことが重要なのです。
つまりポジティブな心理状態をつくることが、業績に好影響があるということが研究でも明らかになってきているのです。
(もちろん、ネガティブなマネジメントの連鎖は、その逆に業績に悪影響であるということです)

PsyCap_業績との関係性の図

組織における事業推進、業績向上、生産性向上には多様な要素が複雑に作用します。
上記図にも示されている通り「個人・組織の先行要因」とういものがありますが、それに掛け合わされて相互作用するのが「心理的資本」の状態です。

近年、従業員のエンゲージメントを高めることは、企業の業績に好影響をもたらすということも様々な実証研究で判明しています。
ではその従業員のエンゲージメントはどうやって高めるのか。その答えの一つは「心理的資本」をポジティブな状態にすることなのです。

組織の先行要因としての「戦略」や「構造」や、積み重ねによる「文化」は、経営者やこれまでの歴史に左右されます。現場ですぐに対応することが難しい。
一方で心理的資本は、現場のマネジメントや人事評価の方法によっても大きく変化します。

会社から“やらされて”いる厳しい目標に向けて、ただひたすらにプレッシャーを与えるようなことはしていないでしょうか。
部下への評価のフィードバックは、改善点ばかりに目を向けていないでしょうか。

心理的資本に関する話は、下記インタビューの後半でも触れられているので要チェック!

自己効力感を高めるマネジメントのヒントは“自己効力感”を高める方法にあります。
楽観性やレジリエンス、希望も効力感が高まることで同時に改善すると考えられます。

方法1:達成体験を積む

挑戦的な目標に対して、日々の小さな行動目標にまでブレークダウンすることで、達成体験を積みやすいようサポートをすることがマネージャーにとって重要な役割になるでしょう。
目標に向けて一歩一歩着実に進捗しているかどうか、それを上司部下で共有できる仕組みをつくることをお勧めします。

方法2:代理体験を生む

目標に対して一緒に取り組む他者のプロセスを可視化することで、「あの人もがんばっているから、自分もがんばろう」「あの人にできるなら、自分にだってできるよ!」という状態をつくりだすことです。
日報や各種報告は書くことが目的になっていないでしょうか。ぜひ、ふりかえりをお互いに共有して、そこから刺激し合ったり、学び合うなどの体験が生れるように仕組みをつくることをおすすめします。

方法3:言語的説得を行う

日々の進捗に対して、ポジティブなフィードバックを行っているでしょうか。改善点を指摘することも重要ですが、目につきやすい改善点とは異なり、日々のちょっとした頑張りは見逃されがちです。
共有されたふりかえりや進捗に対して、「〇〇についてよくがんばっているね!」「ここまでできてるね!」「助かったよ、ありがとう!」「あなたならできるよ!」など、具体的にポジティブな言葉をかけられるようにしましょう。

方法4:生理的情緒的高揚を生む

ドキドキわくわくするような体験も効力感を高めます(これだけでは短期的なものですが)。そのような場づくりや、目標設定を支援することも重要です。
私は挑戦的な目標が達成できたときや、その結果として表彰されるなどの瞬間も大切だと考えます。


経営者が人材戦略を考えるうえでも、管理職が部門の成果を上げるためのマネジメントをするうえでも、重要な考え方が心理的資本です。

心理的資本、あなたの職場ではどのような状態でしょうか。ぜひ、ポジティブな状態にできるよう、検討をしてみてください。

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