Habi*do通信

リーダーとしての「時間管理」がカギ!働き方改革からはじまる生産性の高いチームのつくりかた

働き方改革、ワークライフバランス、有休消化率の向上…
「働く」に関する新しい言葉が、どんどん生まれてきています。

働く

働き方改革は、仕事をする人にとっては嬉しい改革なはず。
しかし、「なんか釈然としない…」「たいしてメリットを受けていない…」という人が多いのも事実です。

それはどうしてでしょうか。
活用していない人は心の中で「新しくできた制度を利用したら、成果を求められる気がする」と感じているのではないでしょうか。

「育児で時短勤務を使いたいけれど、使っていない人より生産性を上げないと、肩身が狭い…」
そんな風に周りの空気を読んでしまって、制度が使えない、休めない、時間を効率よく使えない…という人がたくさんいるのではないでしょうか。確かに、せっかくの働き方改革でも、成果や生産性ばかり求められたら、かえって息が詰まりますよね。

しかしこの課題を解決しない限り、本当の意味での『働き方改革』にはなりません。

求められている働き方改革とは

今求められている働き方改革の本質は、「生産性の向上」です。

限られた人数でより高いパフォーマンスを発揮できるよう、各個人の生産性と、それらを合わせた組織全体の生産性を高めていかなければなりません。しかし、本質からズレた働き方改革を実施している企業が少なくないのが現状でしょう。

「流行りに乗ってフリーアドレスにしたが、結局同じ人が同じ席ばかりに座っている」という笑い話で済めばまだしも、鳴り物入りでつくった制度を誰も使わない、使えない…という会社はありませんか?

男性の育児休暇

よく聞くのが、男性の育児休暇制度や、在宅勤務。
せっかく自分の意思で選べるのに、誰も使わない…という話は耳にしたことあるはずです。

活用が進まない理由は、会社だけではなく、社員にもあるでしょう。なぜなら、周りの目が気になり、将来の評価に影響するのでは?など考えたり、どうせ使えない制度だと思い込んでいる人が大多数を占めるからです。

しかしそれは、会社のせいでしょうか?

企業組織としての本音は、「生産性が上がれば、それでいい」。使える制度はどんどん使い、自分の働き方を見直して成果を上げる社員、を本来会社としては求めているはずです。

社員の意識を変えるには、ただ単に「制度を使え!生産性を上げろ!」とトップダウンで決めるのではなく、上司が実際に制度を利用したり、推奨する立場で分かりやすくビジョンを打ち出すことも必要ではないでしょうか。

生産性を上げることができる人

とはいえ、たとえメリットの大きい制度…時短勤務やリモートワークなどを使ったとしても、必ずしも全員の生産性が上がるわけではないでしょう。

生産性

組織には、生産性を上げることができる人もいれば、上げることができない人もいます。
では、自ら生産性を上げることができる人は、どうやっているのでしょうか。

基本的なテクニックとしては、期限を設定し、時間を区切り、細かく繰り返し行うことで生産性を高めるという方法があります。「〇〇時までに●●を終わらせる」と目標を設定し、その時間内に終わるような速度で、集中して取り掛かる…というイメージですね。

その結果、時間内にできなくても、常に目標をもって行うことでスピードは速くなっていきます。それは本人の成長スピードにも紐付きますから、とても有効な方法でしょう。

逆に、時間を決めずにダラダラとやっている人は、生産性は低いはず。明確な指標を決められず、ただ作業をするだけで「仕事した」と思い込み、工夫や成長から遠ざかります。このような人、身の回りにいませんか?

他者の生産性を高める方法とは

さらに難しいのは、他の人の生産性を高めることでしょう。

上司は、部下の生産性を高める指導をする必要がありますが、的確なマネジメントができる人は少ないのが現状です。たとえマネジメント研修などを受けても、すぐに部下育成のスキルなど習得できません。

とはいえ、「できません」では管理職失格。まずは自分自身の場合と同じように、部下に対して「期限の設定」を行うことから始めるのがよいでしょう。

ただし、「期限の設定」だけをすればいいのではありません。

ポイントは、できそうでできない、ちょっと頑張ればできるギリギリの「期限の設定」を各部下に与えること。
そして、できたできないにかかわらずフォローアップを行い、部下ひとりひとりと並走する必要があります。

「チームの生産性」を高めるためには

部下ひとりの生産性を上げるより、さらに難易度が高いのは、チーム全体の生産性を高めること。

期限設定

そのためには、上司目線での「期限設定」はNGです。

たとえば、生産性の高い部下なら1時間で終わる仕事があったとしましょう。それを、上司が「今日中に終わらせて」と一律に指示したとします。すると、1時間で終わらせるメンバーと、だらだらと1日かけるメンバーに分かれてしまうというのが、組織というものです。

上司がやるべきは、そのタスクを具体的に頭の中にイメージし、スケジュールに落とし込むこと。

そのうえで、妥当な期限を部下に設定させてみましょう。期限は周囲に宣言し、文字で残すなど、部下自身で進捗を把握できるように仕組み化します。そして部下が自分で自分を追い込み、目標達成を目指して工夫・努力を行うように仕向けてみてください。

自分で目標設定し、それに向かって進む部下。
上司の役目は、その管理と支援であって、「早くしろ」とおしりを叩くことではありません。

数人集まると、部下のレベルもさまざま。たとえゴールは同じでも、現状のレベルの違い、能力の違いなどがあるため、期限設定も一律というわけにはいかないはずです。上司は部下の能力把握を行うため、日頃からコミュニケーションをとり、部下それぞれの特性や個性も理解しておく必要があるでしょう。

つまり、チーム全体の生産性を高めるためには、上司が部下と同じ時間を共有することが大切なのです。そうでないと、進捗報告もあいまいになり、随時の方向転換や期間設定の修正がブレてしまうからです。

今日、一週間、一ヶ月間での作業量や、部下の成長具合、苦手なりに工夫している姿を、あなたは上司として認識できているでしょうか。もしできていなければ、生産性が上がるはずはありません。

ブラックになってはいけない

ただし、上司として生産性を追うばかりに、隠れ残業や持ち帰り残業、早朝出勤、などといった事態を誘発してはいけません。まして、期限に厳しくなりすぎて部下を叱責するのも逆効果です。

ブラック企業

また、部下のプライベートの時間にまで連絡しないことも大切です。もし時間内にできなくても、精神的に追い込むのではなく、良いところを見つけ、並走することが大切。部下のやる気を出させるのも、上司の役目です。

管理能力が乏しいチームリーダーと、できるチームリーダーでは、生産性が1割違うという論文もあります。たった1割違うだけ?と思われるかもしれません。数字上の1割は少なく思うかもしれませんが、チームリーダーの能力が低いと、部下のストレスや職場環境の悪化にもつながります。それは、もっと大きな数字となって現れるリスクをはらんでいます。

まとめ:チームリーダーの時間管理感覚が部下に派生します

チーム全体の時間管理。
難しい課題ですが、最終的にはリーダーに責任があります。

ジェネレーションギャップ

リーダー自らの目標、期間に関しても、時間感覚をしっかりもったものを設定し、部下に負けないよう取り組みましょう。また、自分以外のメンバーに関しても想像性を発揮し、適切な期限を設定した上で、目標や期間を納得してもらい、宣言してもらいましょう。

リーダー自身の変化が、チームの生産性への変化へとつながります。