Habi*do通信

DXを加速させイノベーションを起こす~人財の活躍が不可欠~

新型コロナウイルス感染症問題を契機として、企業や人々を取り巻く環境は大きく変化しました。

価値観の多様化や生活様式の変化は、企業だけでなく社会全体のデジタル化を急速に加速させています。こうした環境変化に対応し、新たな価値を提供するために不可欠だとされているのが、デジタルトランスフォーメーションとダイバーシティ。
デジタル化による組織やビジネスモデルの変革である「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、イノベーション創出や急激な環境変化に柔軟かつ能動的に対応することを可能とする「ダイバーシティ」です。

今回はデジタルトランスフォーメーションとはそもそも何であるか、現状の取り組み状況、なぜダイバーシティが関係してくるのか、どういったことに注意すべきか、について考えていきます。

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デジタルトランスフォーメーションとは

デジタルトランスフォーメーション
経済産業省はデジタルトランスフォーメーションを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」としています。
(参照:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」

また、情報処理推進機構(IPA)では「AI や IoT などの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革すること」と説明しています。
(参照:IPA「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査

デジタルトランスフォーメーションとは、単なるIT化にとどまらず、付加価値を生み出すためにデジタルテクノロジーを活用する、ということです。

デジタルトランスフォーメーション 取り組み状況は

デジタルトランスフォーメーションが叫ばれている中、実際の企業における取り組み状況はどうなっているのでしょうか。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み状況

デジタルトランスフォーメーションに着手している企業は74%で、2019年度の70%から4%増、2018年度の63%から11%増となっています。

DXの取り組み領域
デジタルトランスフォーメーションの取り組み領域で、2019年比で増加が多かった上位3項目は、「ビジネスモデルの変革進化」「業務プロセスや業務システムの先進化」「デジタル時代に対応する事業ドメインへの進化変革」です。
デジタルトランスフォーメーションへの取り組みが活発化しており、ビジネスモデルや製品・サービスの変革にも結び付けていることがみえてきます。

現在、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションへの投資を行っています。 現在の業務をどれだけデジタルに変えられるか、これから来る新しい社会に対応できるかが、コロナ禍を企業が生き残れるかどうかのカギとなるためです。

デジタルとダイバーシティの掛け算がイノベーションを起こす

デジタル技術をイノベーティブに活用。
そのためには自社のプロダクト、自社の組織、自社のケイパビリティに閉じない状況で着想することが必要となります。各部に閉じた世界では成し遂げられません。部署・部門を横断したメンバーが同じ目的のもとチームとして動くことによって、成し遂げられます。

オーストリア・ハンガリー帝国生まれの経済学者、ジョセフ・シュンペーターが「新結合(neue Kombination)」という言葉を使い、イノベーションの概念を提唱しました。イノベーションの本質は、「今ある既存の知と、別の既存の知の新しい組み合わせ」によって新しい知が生み出されるとしています。
「知と知」を「結合」するには、多様な人材を活かすダイバーシティが必要となってきます。

また、より変化の速度を増す外部環境に対応するには、イノベーションの速度を上げなくてはなりません。
意思決定の速度を高速にする必要があります。意思決定を中央集権化することなく、下位の組織全体にわたって委譲。チームは「あるミッションの実行にあたって必要なケイパビリティ」のすべてを持っていることが重要になります。1つの仕事をするのに、様々な部署の調整が必要な状態になった組織は、実行の速度を失ってしまいます。
メンバーそれぞれがスピード感と主体性を持ちプロセスの考案や改善に貢献、高速でイノベーティブな事業開発が求められています。

新たなビジネスモデルを生み出すには、既存組織の常識にとらわれない発想が必要となります。
新たな製品やサービスの開発は組織が行います。組織にいかに多様な価値観の人材が集まっているか、その人材を活かしているか、が重要なのです。

多様性の許容とサイロ化

コロナ禍を経験し、今後の社会では更なる「働き方」「考え方」「価値観」が多様化していくことが予想されます。ビジネスパーソンを含む生活者には、個性を生かすということへの指針となりうる考え方や変化を受け入れる受容性が必要となってきます。

多様性とイノベーション

多様性、異なる視点の発想が相乗し合うことでイノベーションは生まれます。多様性は相違性でもあるため、しばしば摩擦やあつれきを生むことも。何かを変えることは摩擦を伴うことであり、誰もが避けたいことです。身についた文化、考え方、習慣といった類を変えることは、粘り強く取り組む必要があります。

これからの社会やビジネス環境では、多様な価値観やライフスタイルをもった社員が活躍していく一方で、多様な人々の集団は、標準化されたルールとプロセスがないと回らなくなります。
組織が大きくなるにつれ、会社の仕組みが硬直化。徐々に組織同士のセクショナリズムが発生したり、全体最適な行動が取れなくなってきます。 組織がサイロ化(※)され、イノベーティブな行動が組織から減ってきてしまいます。

サイロ

※サイロ化…サイロとは、牧場において飼料を貯蔵するために利用される背の高い円筒形の貯蔵庫のこと。他の部門と情報共有や連携を行わず独自に業務を遂行。部門との連携・情報共有をせずに、全体の中で孤立した状態のことをいいます。

市場環境が不確実になりさまざまなイノベーションが連続するデジタル時代である現在。このような状態を維持することはいい結果に繋がる、とはいえないでしょう。

常に変化を恐れずにチャレンジしていく企業風土、オープンなコミュニケーションと共通の価値観を作り上げること。お互いが領域を広く捉えて、摩擦を避けない働き方を推進することが必要となります。
部門ごとのサイロ化をなくして風通しを良くし、関係する部門が力を合わせて課題の解決に向き合う組織。そういった組織であれば、社会の変化に柔軟に対応し生き残っていくことができるのでしょう。

まとめ:チャンスと捉えられるか否か

デジタルトランスフォーメーションも、ダイバーシティの浸透についてもまずは自らが「経験」することから始まります。半ば強制的ではあったかもしれませんが、このコロナでアナログからデジタルへの転換が一気に進みました。変化に対応する中で、柔軟性と創造力が求められるようになりました。

企業の分かれ道

これまで経験したことがないことを経験した上で、見えてきた組織としての課題そして変化。一過性のものとして終わらせるのか、変革のチャンスと捉え業績向上の手段として根付かせることができるのか。
企業が今後さらに発展できるか否かの分かれ目といえそうです。