Habi*do通信

外食産業のIT化~生産性向上からもたらされる「人」としての仕事~

人手不足、労働力不足。
それは人が楽しくおいしい時間を過ごす『外食産業』でも同様です。
みなさんが行くレストランや居酒屋。人工知能やIoTといった技術を駆使し、生産性向上を進めています。

厨房から中華鍋や包丁がなくなる!!

作ったことがある方はご存知かと思いますが、ちゃんぽんは中華鍋を使用して肉や魚介、野菜を炒め、スープと麺を合わせ作ります。作る人の技量が必要となり、出来上がりにも差がでてきてしまいます。
中華鍋
長崎ちゃんぽん専門店であるリンガーハット。
リンガーハットの厨房には中華鍋がなく、包丁すらありません!

中華鍋に代わるのは、自動で回転する大鍋と、小さな片手鍋。
まず具材の野菜を回転鍋に投入し、一定時間たったら取り出す。それを麺などと共に片手鍋に入れ、鍋をIH調理器の上に置く。鍋はベルトコンベヤーのように調理器の上を自動で移動。調理器から押し出されたら調理完了。後は人の手で盛り付けて完成だ。
(東洋経済オンライン「リンガーハットは、なぜ「復活」できたのか」より引用)

これであれば誰でも同じちゃんぽんを作ることができます。

厨房で働くためには、研修をしてその後調理法を覚え、実際に何度も調理をこなし、年月がかかってしまいます。リンガーハットでは入って初日でも厨房に建てるほど仕事が単純化されています。

外国人スタッフを増加することもでき、ガスコンロからIH調理器への変更で店内の油のにおいが減り、女性客が増加したという副次的効果も表れました。

効率化や顧客満足度だけでなくマーケティングにも有効

外食産業のIT化。厨房でのIT活用だけではありません。
タブレットで注文
みなさん居酒屋さんやファミリーレストランの注文の際「タッチパネル」を利用したことありませんか。

自動券売機や卓上に置いてあるタッチパネルでの注文。スタッフの接客時間を短縮することができ、注文を聞き間違えるリスクも少なくなります。

POSレジシステム。時間帯売上、客単価、在庫管理を行うことができます。
売上、在庫管理、受発注、顧客情報、注文といったデータを統合分析することで、顧客の来店頻度を予測できるといったことだけでなく、顧客ごとの好き嫌いやアレルギー、記念日といった顧客のデータを把握。顧客に合わせた顧客ごとのサービス提供につながります。

お店の予約はインターネットやアプリを利用、そんな方も多いのではないでしょうか。
飲食店の予約を管理する予約台帳の役割を果たす予約管理システム。電話で予約を受け付け、手書きで台帳に記すという手間を省くことができます。また、事前確認のメールを送る設定ができ、電話での確認の手間や時間を省くだけでなく、やむを得ないキャンセルの際も、顧客にとっては連絡しやすい状況をつくりだすことができます。

初来店の顧客やリピーター顧客、好き嫌いやアレルギーの情報。
IT化を進めることは、作業の効率化や顧客満足度アップをもたらすだけでなく、精度の高いマーケティングを行うためにも必要なのです。

ITをいかに駆使するか

外でご飯を食べたい。
単純においしいものを食べたい、楽をしたいし便利だから、といった理由だけはありません。
スタッフの温かさや細かな気配り。それこそが付加価値となり、また行きたいと思われるお店となりうるのです。
waitress
お客様のためにもっと接客をしたい・時間を使いたいと思っていても、通常の調理や接客以外にもシフト管理、日報、棚卸 等々やることが山のようにあり時間が足りない・・・。

これらの課題解決のためにテクノロジーの利用を進めていく必要があります。

ITをいかに駆使してうまく利用していくか。
外食産業だけに限らず、データの一元管理を通して業務フローの見直しが進めることで、無駄や非効率は省き、業務の効率化を進めていく。本来のおもてなしに時間を使う、本来のやるべき業務に時間を使う。
ITの積極的活用は不可欠です。