ルールを守る。
当たり前のことですが、守れない人が出てきてしまいます。
ルールを作るのも人、ルールを守るのも人、なのです。
規則やルールーなぜ守られないのでしょうか、どうしたら守るようになるのでしょうか。考えていきます。
ルールのもつ目的とは
そもそもルールをつくる、守る目的とはなんでしょうか。
「世の中をよりよくするもの」を提供するため、「顧客の求めるもの」を提供するため、「特別な時間」を創り出すためー。
会社が持っている社会に対する使命、作り出したい社会、目指している姿、そこにこそルールを定める目的があるのです。
守るためのルール、みんなに守られるためのルールが横行しているとすれば、それは大きな間違いです。
規格やルールを決める際、何のために・どうしてこの作業をしているのか、なぜ厳しく順番が守られているのか、が置き去りにされてしまうことがあります。
「ルールが●●なので、●●でやる」ことだけでなく、「なぜこの作業をするのか」「なぜこの手順で、なぜこの時間でやるのか」といったことを一人ひとりが考え、「顧客の求めるものを創り出す、提供する」といった目標のために業務にあたることが必要です。
ルールの背景に対する説明
「ルールだから」「守らなくてはいけないから」
と一方的に指示命令的に告げられるだけで、ルールは守られるでしょうか。
相手側の十分な理解、納得のないところに自発的な行動はあり得ません。一時的にルールが守られたとしても、守られない状況に戻ってしまうでしょう。
人とはそもそも安全でありたいという欲求を持っています。
こちらのブログでご紹介している「マズローの欲求段階説」。生きていくための必要な基本的な本能的な欲求である生理的欲求の次に、危機を回避したい、安全・安心に生活がしたいという安全欲求を持っています。
周りが危険な環境であり、健康を維持できない環境では作業や仕事は継続できません。安全欲求は満たすには安全な職場環境の確保が必要となります。この危険・危機を回避したいこの安全欲求に訴えかけることが効果的です。作業手順を守り、安心安全にすすめることは作業効率アップにもつながります。
リーダーや管理職のみなさん、従業員一人一人が納得できる理由を考えて伝えられているでしょうか。なぜこのルールを守らなければならないのか、なぜこの順番で行わなければならないのか答えられるでしょうか。
日々のフィードバックの重要性
そもそもリーダーや管理職のみなさんが少しくらい大丈夫…とルールを守らない状況になっていないでしょうか。
リーダーや管理職のみなさんが守っていたとしても、メンバーがルールを守っていないことを見つけても、忙しさを理由にしたり今回だけだろうと注意を怠ってはいないでしょうか。
小さなルール違反も注意を与え正している職場では、ルールを守る事が当たり前の状態となり、日常的にルール通りの行動が出来るようになります。このような職場では、安全に対する教育や安全衛生に対する行事も活発に行う事ができ、効果も上がります。
職場において上司や先輩への依存心やこれくらい大丈夫といった横着心による短絡行動など、本来であれば防ぐことができたトラブルや問題のもとになる小さなルール違反をこれくらいならいいだろうと黙認すれば、そのルール違反はエスカレートして、ルールを守らない事が当然のことのように日常化し、どんどん大きくなって歯止めが効かなくなっていきます。
こうならないためにも、日常的に気になる点、指摘事項、良好点についてフィードバックすることが大切です。フィードバックした内容は、経営トップも常に確認理解しておくことです。
習慣化と主体的な行動
人には習慣性があります。一度習慣化したことは簡単にはやめられなくなります。習慣になった行動を変えると、不安感や物足りなさを感じる様になります。
ルールを習慣的な行動にしてしまえば、やらされている行動ではなく、自然に主体的な行動となります。
ルールに納得・理解をしてもらうことや背景を説明すること。
そして、リーダーや管理職側の熱意を持った対応や職場の相互注意がある環境を創り出すこと。
一人ひとりが良い経験を積むことで習慣となり、経験によって無意識に行動することができるようになります。
「ルールは守らなくてはいけない」と言うばかりでは何も状況は変わりません。
なぜルールが守られていないのか、そこから考えてみてはいかがでしょうか。