Habi*do通信

ムーンショットで自分を追い込みすぎる人のための目標設定のポイント

現状の取り組みを続けるだけでは到達できない野心的な目標に挑む「ムーンショット(moon shot)」。
Googleなど多くの成長企業で行われている目標設定に、ムーンショットの考えを取り入れています。

一方であまりにも高すぎる目標は「パニックゾーン」と呼ばれ、ストレスや不安を過剰に感じてしまうため成長が望めないとも言われます。ムーンショットを目指しながらも、追い込みすぎないようにはどうすれば良いのでしょうか?

ムーンショットはなぜ重要か?

ムーンショットを目標に立てる意味

1960年代に当時のケネディ米国大統領が「10年以内に月面に人類を着陸させ無事に地球に帰還させる」と宣言しました。
当時の技術、米国の状況からは到底実現不可能と思われてこの宣言は、実際には8年後に達成されました。
そこで、理想的な未来から逆算して立てられた、斬新な、困難だが実現すれば大きなインパクトをもたらす壮大な課題、挑戦を「ムーンショット」と呼びます。

この事例からも分かるように、現在の延長線からの予測(フォーキャスティング)に基づき実現可能な手堅い目標を設定していては理想的な未来にはたどり着けません。

理想的な未来からの逆算(バックキャスティング)によって、挑戦的なムーンショットで目標を設定することがイノベーションには不可欠です。
なぜなら、現状の延長線を大きく上回る目標を達成するためには、現状を覆す新しい考え方、プロセスを創造しなければなりません。理想を見据えて現状を打破する中で、大きな成長やイノベーションが起こるのです。

ムーンショットで自分を追い込みすぎないための3つのポイント

とは言え、高すぎる目標を設定することでストレスや不安を感じてしまうこともあります。理想を追い求めつつも、自分を追い込みすぎないためにはどうすれば良いのでしょうか?

ムーンショットで自分を追い込みすぎないために

①短い期間に目標を設定する

理想的な未来は中長期的なゴールをイメージすることが重要です。あまりに近すぎる未来では、大きな飛躍は望めません。一方で中長期的なゴールでは、達成までの道のりが途方もないものに感じるはずです。また、ゴールが現状の延長線上にないため、途中で方向転換を余儀なくされることも多々あります。

そこで、中長期的なゴールを目指すためのマイルストーンとして、短期的な目標を設定することが望ましいです。たとえばOKR(Objectives and Key Results)では、3か月ごとに設定を繰り返します。3か月程度の短い期間で設定することで、達成までに何をすれば良いか具体的にイメージしやすくなります。また、たとえ達成できなくても短期間で一定の成果を残したことを確認できるので、自己効力感が高まりやすいです。

②「失敗は学び」だと認識する

自分を追い込んでしまう理由の一つに、失敗への恐怖があります。「失敗したらどうしよう・・・」と思いつめてしまうことはありませんか?

しかしながらムーンショットにおいては、失敗を奨励しなければいけません。失敗を許容するだけではなく、奨励するのです。なぜなら必ず成功を求められる取り組みは、そもそも挑戦ではないからです。全力で挑戦した結果としての失敗は悪ではなく「学び」だからです。先行きの見えない時代には、いかに正しく仕事をこなすか?ではなく、いかに早く学ぶか?が重要になります。失敗しても、そこから「学ぶ」ことに全力を尽くすことができれば、思いつめる必要はありません。
そして早く失敗に気づき、学ぶためにも、目標設定は短期間であった方が良いと言えます。

③ムーンショットにはチームで挑む

ムーンショットを目指すことは、高すぎる目標の前に一人で立ち尽くすことではありません。

「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」と言われるように、理想的な未来へはチームで向かうようにしましょう。
ムーンショットを目指す中、メンバーの誰かが傷つくことも、追い込みすぎることもあるかもしれません。そういったときに頼りになるのが、チームの仲間です。チームで励まし、労い合いながら前へ進みましょう。

また、高い目標に挑戦する際は、低い達成率に落ち込むときもあるでしょう。そのような状況にならないために、ウィンセッションがおすすめです。挑戦する中で、できたこと、よかったことをお互いに承認、称賛しあうミーティングがウィンセッションです。ポジティブな情報共有をし合うことで、さらに高い目標に挑む仲間であることを再認識する機会となります。

わくわくする未来を目指そう

ムーンショットをチームで目指す

ムーンショットの大前提は理想の未来を思い描くことです。ただただ高い目標を目指すのではなく、その先にある未来を目指していることを忘れてはいけません。

ムーンショットは自分や誰かを追い込むためのものではなく、夢中で取り組みたくなるような未来を思い描くことから始めましょう。

あなたの思い描く未来にわくわくすることができたなら、困難な道のりであってもポジティブに挑戦することができるでしょう。