Habi*do通信

成功する人は、人に価値観を伝える~サイモン・シネックの逆転の発想から~

価値を感じる動機づけ

思い出してください。
小学生のころ、学校の先生から日記をつけましょう。と言われたことはありませんか?
毎日の出来事や、思ったことをなんでもいいから書きましょう!
そして多くの人は、継続できずいわゆる三日坊主に終わっていたのではないでしょうか。
それもそのはず、先生は、日記を書く方法は説明していますが、なぜ日記を書くのか、書くことにどんな意味があるのかを教えていないことがほとんどです。

もし、先生が「日記をかくことで作文力がつくよ」や、「日記に書くことを意識すると毎日が充実して過ごせるよ」や、「よくかけた日記には先生からご褒美があるよ」等、日記を書くことの目的をイメージできる価値観を伝えていたら継続できた子供はもっと多かったかもしれません。

なるほど、今年も新入社員に、「とりあえず100枚名刺交換してきて」といわれ、やみくもに企業まわりをする若手社員が増える季節になりました。
わたしも受付対応をしたことが幾度とありますが、みな一様に、お決まりのご挨拶の後は、「では、名刺を頂戴してもよろしいでしょうか」となります。
もちろん名刺は渡しません・・(ごめんね)
ですが、これも同様、名刺を100枚もらうことに、目的・価値を見出せないまま行動している例の一つだと思います。

人は「なぜ」に動かされる

アメリカのマーケティングコンサルタント、サイモン・シネックは、こう言っています。

”人は「何を」ではなく、「なぜ」に動かされる”

みなさんは、「ゴールデンサークル」という言葉を聞いたころがありますか?
人の思考は「ゴールデンサークル」という3つの円のフレームによって階層をわけることができるそうです。

多くの人は、円の外側から順に、What(何をするのか) → How(どうやるのか) という順序で物事を考え、Why(なぜやるのか)を知らないケースが多いそうです。
そして多くの人は、伝える際にも、What → How という内容のみを伝えています。肝心なwhyに目を向けることができていません。

ですが成功する人々はその逆で、円の内側から順に、 Why(なぜやるのか) → How(どうやるのか) → What(何をするのか) という方向で考え、人に伝えています。

Appleが成長し続ける理由

実はこのゴールデンサークルの理論にもとづき、Appleが売れる理由が明らかにされています。
Appleがコンピュータ会社であることに変わりはありません。他のコンピューター会社と似たようなものです。では、なぜAppleには他と違う魅力を感じるのか?
それは、商品説明ではなく、何をしたいか、を語っているからです。
つまり、ゴールデンサークルでいう、「why」を最初に説明しているからです。

アップルはこう言いました。

「我々のすることは、すべて世界を変えるという信念で行っています。(why)。私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使えて親しみやすい製品にすること(how)。こうして素晴らしいコンピューターができあがりました(what)」

なるほど、こう聞くと「ほしいな」と思いますね。
こういった例からも、人は、「なぜ」という価値観が人を動かすのだとわかります。「何を」という方法論は、「なぜ」を伝えてからでないと相手の心には響かないのです。

まず「Why」(価値観)から考えてみる。それを意識していくことが、あらゆる面での成功の近道になりそうな気がしますね。