用語については以前、「禁止語を作る~マジックワードについて考える~」で少しお話しました。
「強化」「徹底」「促進」「向上」…
一見、前向きに聞こえる言葉が実は、目指すゴールを曖昧にしているということを。
加えて言えば、「営業」のような一般的に理解されている用語も要注意。
会社によって様々な解釈があるからです。
通常は、クライアントに商品・サービスを提供する仕事、と捉えますが、実は会社にとってその業務内容は様々。
クライアントへの売込業務がなく、コミュニケーションを図ればいいだけの仕事を「営業」と称している会社もあります。
マネジメント職にとっては、使用する用語の「真の意味」の共有化も大切です。
特にキャリア採用が多い会社は、自社の「当り前」をいかに早くキャリア採用者に理解させるか、ということも早期戦力化のためには重要だと思います。
ポジションパワーでの指示・命令を禁止する
さて表題。
今回はどんな行為を禁止するかと言えば。
「ポジションパワーでの指示・命令」です。
上司としての権限のみを使って業務をやらせる行為です。
この行動を一度もしたことがない、という人は一流のマネジメント職と言ってもいいでしょう。
では、どのような時にポジションパワーを使うことが多いでしょうか?
緊急性の高い場合。
「明日の会議の資料でどうしても必要だから」
と上司から一言。
「何でもっと早く言ってくれなかったの?」
「本当に必要なの?(何を検討する為に必要な資料なの?)」
部下の立場ではこういったことを思っても仕方ないですよね。
また、一見ポジションパワーでなさそうに見えて、強制力を働かせる場合。
「○○取締役がやれっていうから」
「会社で決まったことだから」
「君の成長に必要だから」
そして一番質が悪いのは、
「上司の俺の言うことが聞けないのか!」
「理由はともかくやれ!」
ドラマに出てきそうなセリフですが、実際にやっている会社もチラホラ見かけます(笑)
ポジションパワーを使わない指示・命令とは
では、ポジションパワーを使わない指示・命令は?
「何をしたいのか・決めたいのか、目指すのか(ゴール)」
「何の為にするのか、必要なのか(目的)」
「なぜ我々が・あなたがするのか(個人・チームの存在意義・期待)」
「やることによって得られるものは何か(会社・チーム・個人にとって)」
一言で言えば、「丁寧さ」。
ポジションパワーの指示命令は前述の中の何かが端折られているケースがほとんど。
不足部分を「上司としての命令」に置き換えてしまうのです。
急いでいても丁寧に、やってみてください。
案外、焦っているのは自分だけで、部下は泰然自若にこなしてくれるかもしれません。
▼禁止語 についてはこちらから