職場でメンバーのマネジメントをする時や、チームで一緒に仕事をするメンバーと協働する時を思い返してみてください。上司部下の関係や、チームの同僚、プロジェクトを共にする仲間。
きっと多くの場合で、相性の良いタイプのメンバーばかりでは無いのではないでしょうか。時には「ちょっと困ったな」とか「うまくいかないな」ということもありますよね。
今回はそんな時に意識したいマイナスをプラスに変える視点の例をとりあげてみます。参考になる部分があると幸いです!
まずはひとりひとりが異なる存在という認識から!
ひとりひとりが全く同じということはなく、十人十色、いえ百人百色!千人いれば千通り、その人たちの性格、行動のクセ、思考のクセ、価値観、背景、能力、知識、経験…、異なっていて当然です。これもひとつのダイバーシティ、多様性ですね!そんな人たちが何らかの目的で組織を成しているが会社でありチームだと思います。
だから日々感じる「なんか違うな」という違和感は至極当然だと私は思います。ひとりひとりが違うという前提に立ちながら、コミュニケーションをとります。組織には何らかの目指す目的があるはずです。その目的・目標に向けて、方向をすり合わせしながら、そして各々の強みを活かしていくことが求められます。
とはいっても!ひとりひとりの強みを活かしたいと思っていても、中には「ちょっと困ったな」「うまくいかないな」と思うタイプの人がいると、なかなか関係性がうまくいかず、組織としても個人としてもパフォーマンスを発揮できないということもあるのではないでしょうか。
そんな時こそ、視点を変えて客観的にその人のことを考えてみませんか?いくつかのケースを取り上げてみます。
お調子者な人
好きなことをやっている時は元気が良いけれど、そうではないことを無理にさせてしまうとテンションも下がり、パフォーマンスが上がらないタイプかもしれませんね。それでいて飽き性という、組織の中では意外とマネジメントが難しいタイプかもしれません。定型業務をし続けるとストレスを溜めてしまいそうです。
でも、このように見ることはできないでしょうか。
好奇心旺盛で、新しいことへの感度がとても高い。また、興味があるものへの瞬発力が高い。そうすると、新しいアイデアを出すためにリサーチをしたり、企画をつくったりすることには最大限のエネルギーを注げるタイプの可能性が高いです。そんな強みに注目してみるのはいかがでしょうか。
流されやすい人
多数意見に同調しやすく、自己主張はしない人は、人と違うということに不安を覚えやすく、他者の影響を受けやすいと言えるでしょう。もしそんな人をプロジェクトリーダーに抜擢したり、自分の意見を述べよと強行したりすると、強いストレスを感じてしまうかもしれませんね。
逆の見方をするとこうも言えるのではないでしょうか。
リーダーや仲間の考え方をしっかりとたて、フォロワーとして最大限サポート力を発揮できるタイプかもしれません。協調性が強いかもしれません。物事は良いフォロワーがいなければ前進しないと言いますし、その強みを認められれば、心強いメンバーになります。
強引な人
強引さが表面化していると、対応が難しく感じるかもしれません。本人との個別およびチーム内での対話を含むコミュニケーションがカギを握りそうですね。なぜその意見を持っているのか、どのように実現しようとしているのか、こちらが耳を傾けながらすり合わせをしたいところです。
このタイプの場合、自分の意志をしっかりと持っているという点で、行動力が伴えばものすごく推進力を発揮される方だと考えられます。その人の持つ使命感や意志と、組織の目指す方向が合致し、その想いや方法がチーム内でしっかり共有されれば、前に進む力や周囲をけん引する力にもなり、心強い存在になりますね。
頑固な人
変化を柔軟に捉えること、変化を受け入れることが苦手な人かもしれません。がっちりと守りを固めてしまいます。新しいことをやれとか、自由にやれと言われることが、強いストレスになることもあります。
裏を返せば、守りにはめっぽう強いということ。一度しっかり決めた業務の流れや作業方法は丁寧に実直に続けることができます。また、目的や使命をしっかりと共有することができれば、そこに向かって着実に行動し前進することもできるタイプと言えます。
粗探しばかりする人
放置して徒党でも組まれてしまうと、チーム内の雰囲気が淀んでしまいかねない危険なタイプかもしれませんが、粗探しする人すべてがそういう人ではないです。ただただクリティカルな物の見方をできるだけという場合もありますね。
ミスを見つけることが得意ということは、小さな間違いやちょっとした違和感も見逃さないスキルに長けていると言えるかもしれません。人的ミスが起こりやすい業務のチェック、品質管理や、校正、コンプライアンス部門、その他各種リスクマネジメントを支援する仕事に強みを発揮してくれるかもしれません。
“人”に対しては、自分自身や周囲に対して良いところを見つけられるスキルをもし身に着けられれば最高ですが!
面倒くさがりな人
面倒くさがられると、依頼する側は嫌に決まっていますよね。面倒くさがる理由にもよりますが、もしその人が本当に「面倒くさがり」なのであれば、こんな見方もできないでしょうか。
面倒なことを仕組み化することに長けている…かもしれないと!面倒くさがられたら「そうならならない改善方法も考えてみて!仕事が楽になるから!」と提案してみるのもアリかも?それも面倒くさがられたら、ただの怠け者かもしれませんね!(笑)その時はその時で、仕事への熱意を持てない別の理由があると思うので、それこそよりいっそうの対話が必要です!
困った人は困っている人?
いかがでしたでしょうか。今回取り上げたのは、ほんの一例ですが、困ったなというその人の特性の見方を反転してみてください。自分にとっての苦手意識ではなく、一段高い視点から客観的に見てみるのです。
「困った人」は「困っている人」と言われることがあります。その人にとっても、何か自分の思うように振る舞えず苦労していたり、認めてもらえてないと感じていたり、評価されていないケースもあります。
立場や役割に関係なく、やっぱりひとりの人間なので様々な感情や事情がありますし、完璧な人はいないと思います。
職場で困った人がいる、対峙している上司・部下が困った人だ、と感じた場合は「もしかしたら、何か困っているのかも」と捉えてみてください。
加えて自分とは異なる人という前提に立ち戻り、客観的にその人を観察してみてください。普段、違和感を感じたり、苦手だと思っているその人の特性も、チームで仕事をしていく中で欠かせない強みかもしれません。そのように見えてくると、むしろ感謝したくなるものです!
もちろんそもそもの、会社の目指すところとのミスマッチや、組織のフェーズや役割とのミスマッチなどもあると思うので、万能ではありません。組織は生き物と同じように、複雑で変化していくものです。
大切なことは、お互いのことについて理解ができるようなコミュニケーション機会を絶やさないことなのではないでしょうか。
▼下記のセミナーも参考にしていただければと思います!
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