新元号「令和」への改元を迎える超大型連休。
中には仕事の方もいらっしゃるでしょうが、10連休という方もいらっしゃるでしょう。
せっかくの連休だからと海外旅行を計画されている方、帰省や国内旅行を予定されている方も多いかと思います。とはいえどこへ行っても混雑、また旅行代金も高かったり、希望の宿が空いていなかったり…家でゆっこりすごすといった考えの方もいらっしゃるでしょう。中には仕事が休みにならず、子ども達の預け先に困っている方もいらっしゃるかと思います。
休日数の多さが楽しみと思う方もいればそうでない方もいる。現状の日本の連休はみなさんがハッピーともいかないように感じます。
実はそういった現状を回避すべく、日本でも休日の分散化に向けた取り組みを始めていることご存知でしょうか。もし実現できたら、飛行機代や交通費が高い時期に混雑や渋滞に耐えながら旅行しなくてもよくなるかもしれません?!
フランスでは地域によって休日の時期をずらすことはすでに定着化しています。また長期休暇をとるのは当たり前です。なかなか日本では定着しない・進まないのは何故?フランスの現状から紐解いていきましょう。
日本「キッズウィーク」をスタート
2018年4月より一部の自治体で「キッズウィーク」がスタートしています。
子ども達(小学生から高校生まで)の夏休み等、長期休暇の一部を別の時期にずらして大型連休を創り出します。
たとえば夏休みを5日間短くし、その分他の時期で月曜日から金曜日を休みと設定します。(前後の土曜日日曜日も併せて9日間の連休となります。)
地域ごとに休みを分散。それにあわせて大人側が有給休暇を取得することができれば、旅行など親子で過ごす時間を確保しやすくなります。
実現されれば、混雑や渋滞、旅行代金や交通費の高さを理由に旅行をあきらめていた人たちも、混雑なく低料金でのレジャーが楽しめるようになるかもしれません。また普段であれば予約ですぐに埋まってしまう人気スポットへ足を運ぶこともできるようになるでしょう。
また繁忙期や閑散期がある宿泊施設や飲食業、レジャー産業においても、年間を通じた集客へつながります。地域の活性化、雇用の安定化といったメリットも生み出される可能性が高いです。
ただしデメリットも考えられます。それぞれ休みが異なるとなると、休日中の関連部署、また取引先との連絡が難しくなる可能性があります。企業の経済活動などに支障が生じる場合もあります。子どもの休みにあわせて休暇が取れなかった場合、子どもの預け先の問題がでてきます。また、単身赴任中のお父さんがいる場合、地域ごとに異なる休みであれば、家族と一緒の休暇をとるには、自身の有給休暇を取得する必要が出てきます。
フランス「バカンス」が当たり前
フランス。
フランスでは長期休暇を「バカンス」「ヴァカンス」と呼び、国民に根付いています。
フランスでは9月から新しい学年が始まります。実はその1カ月半後あたりに2週間の秋休みがあります。そして12月下旬にはクリスマス休暇が2週間。2月半ば過ぎには2週間の冬休み、4月の復活祭の前後に春休み2週間。そして学年末を迎える6月末から9月までは2カ月のバカンスです。
諸聖人の祝日休暇 約2週間
クリスマス休暇 約2週間
冬休み 約2週間
春休み 約2週間
夏休み 約2ヵ月
なんと、1年のうち約4カ月学校の休みがある、ということになります。
また、フランスにおいてはクリスマスと夏休みは皆同時期でのお休みですが、それ以外は3つの地域にわけてそれぞれ違う時期に休みをとります。
観光大国であるフランス。バカンスがずれることで常に顧客を集客することができ、経済が安定的に潤うのです。
子どもの学校が休みだけでなく、大人も夏休みやクリスマス休暇はしっかり取得します。クリスマスや夏休みといった皆が休みを取る時期はレストランが軒並み閉まって、不動産会社や銀行、街が社会が休みになります。
そもそもフランスの人たちは「プライベート」を重視しています。
仕事は人生の一部であり、仕事が人生にはなり得ない、と考えています。
休みを有効に利用することで、仕事以外の繋がりや人脈を作り、知識や技術、アイディアを得る、そういった発想を持っています。
フランス 子どもたちの預け先は?
とはいえ子供の休みは1年のうち約4カ月。
すべて大人も休むというわけにもいかないことも。
近くに祖父母がいる場合、預けるといったことを行う家庭や両親が交代で休みをとるといった、日本に近い対応をしている家庭もあります。
しかし祖父母も働いていたり、両親がどのバカンスにおいても交代で休みを取ることが不可能な場合もあります。(フランスは共働き率が高い国です。)
その場合には、休暇の時期に預かってくれるCentre aéré(ソントアエレ)という施設があり、そこに預けることができるそうです。子供たちの世話はバカンス中の学生がスタッフとなり対応。1日単位での申し込みも可能。通って子どもが興味をもてなければ、途中で辞めることも可能です。
また、子供向けのイベントが博物館や美術館で開催されたり、バカンス中だけのスポーツ教室も多く開催されるそうです。(弊社のエンジニアのマーク。子どもの頃の長期休暇中、午前中は英語、午後はスポーツ教室に行っていたことがあるそうです。)
子どもの預け先に困ることもなく、すべてが家族の時間といった過ごし方でなく、親子の時間、夫婦の時間、子どもの時間といった過ごし方も可能です。
まとめ
日本の現状とフランスの現状を見ていくと、休暇を分散させる以前の問題として、そもそも休暇が取りやすい環境の整備が必要だと感じられます。
仕事の進め方、共有の仕方。子どもの預け先。プライベートの充実と仕事との関係性。
一人ひとりがハッピーな休日を過ごすためには、国も企業もそして個人も、考え行動すべきところがまだまだ多く日本には残っているようです。