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マイクロラーニングは、教育手段の一つですが、その目的は生産性を向上させるためでもあります。そこで、まず、日本の生産性について、一人当たりのGDPを考えます。
平成30年7月6日に、いわゆる働き方改革関連法が成立しました。
日本は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、育児や介護との両立、働く方のニーズの多様化などの状況に直面しています。
そこで、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
つまり、「働き方改革」の目的が主として生産性の向上にあると考えられます。
もちろん、働く人々の多様な生き方の実現や雇用の安定、能力開発も目的だと思います。
生産性と言うことで日本の労働生産性を調べてみました。
日本生産性本部の資料によると日本の一人当たりの労働生産性は、OECD加盟諸国の中で21位となっています。
これは、2000年頃においても第20位で、同じような状態が続いています。
ここで、労働生産性を振り返ってみることにします。生産性は、次の式で表されます。
[生産性]=産出量(アウトプット)÷投入量(インプット)
インプットが「労働量」でアウトップットが「付加価値」です。
労働生産性の国際比較で用いられる数値は、インプットはその国の1年間の平均就業者数で、アウトプットはその国のGDP(国内総生産)となります。
国によって、就業者数の算出方法が多少違いますが、大きな傾向として日本の労働生産性は長く変わっていないことになります。
一人当たりGDPをアメリカと比較をしました。
2000年から2015年まで、日本は減少し、アメリカは増加しています。
一人当たりGDPの推移を見てみましょう。
1988年から2000年頃まで、日本はアメリカを上回っていました。
2000年以降、日本は一人当たりGDPが低迷していることになります。
視点を変えて、生産年齢人口当たりのGDPをアメリカと比較をしました。
2000年から2015年まで日本は、微増。アメリカは増加しています。
ここで、日本の一人当たりGDPと生産年齢人口当たりのGDPの増加率を見てみます。
2000年から2015年まで一人当たりGDPは微増、生産年齢人口当たりのGDPは約12%増加しています。
これらの統計から、日本の人口が減少していることもあり、日本の一人当たりのGDPが低迷していることがよく分かります。
しかし、生産年齢人口一人当たりで見ると約12%生産性が上がっています。
働く人々の忙しさが実感できる数字になっています。
国内総生産に影響するプロセスをヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産という経営資源でとらえると次の図のようになります。
日本の一人当たりのGDPが低迷している原因を探る上での一つの整理方法と考えました。
それぞれの経営資源毎に原因と対策を検討することは重要です。
もちろん、これらの経営資源をどのように組合せて広い意味での生産活動を行い、生産性を向上させるかは、国家レベル、企業レベルでの戦略が大きく影響します。
また、イノベーションを起こしやすい組織文化なども重要な要素だと思います。
それでは、ヒトに関する資源の内、教育とくにマイクロラーニングという狭い範囲での生産性向上を考えます。