Habi*do通信

現場がやる気をなくす!残念な日報業務になっていませんか?

会社において、その日の業務の内容を報告する“日報”は、多くのビジネスパーソンがご存知だと思います。
「当然知っているし、毎日書いているよ!」「とても役立っているよ!」という反応もあれば、「あぁ、毎日報告するのちょっと面倒なんです。」「メンバーの日報に目を通すのもけっこう大変なんです。」など、ネガティブな印象を持たれるケースもあります。

以前、聞いたことがある日報の運用状況に衝撃を受けました。
今回は、その話に基づきながら“日報”言い換えれば「毎日の報告」の意味合いをケーススタディとしてご紹介します。

その日報、残念な運用になっていませんか?

日報はとても意味のあるはずのもの!目的があるものです。
ただ、それがいつのまにか本来の役割を果たしていないケースがあるようです。
実際に聞いた話より、トンデモ日報運用を見てみます。

日報が紙ベースのまま!上司もちゃんと見ているか不明。

何度も書き直している人
こんなに時間をかけて書いたのに!(そもそも別の問題)
日報がペーパー!書式に記入して提出するケースです。

その職場の営業職種の方々の話。
営業の方々が10名くらいいる会社。各チームは2人~4人で構成されていました。
この組織の場合は、日報がノートで提出されます。

誤解をしてほしくないのは、このケースは職場では1人1台のパソコンがある会社です。インターネットにもアクセスが可能です。職場や仕事内容によっては、IT環境がない(または必要ない、難しい)という場合もありますので、紙が悪いわけではないんです。

とはいえ、IT化するだけでも効率化することはできそうですし、毎日の日報情報が会社の資産になっていくと思うのですが。

日報に誰も反応しない!

誰も見てないやんけ!

誰か見ているのかなー、この日報!!!

意外とよく聞くケースが「日報を書いているけれど、誰も反応してくれないんです。誰が見ているんだろう。」というような状況です。紙であろうが、システムであろうが同様のことが起こっていませんか?

本当に誰か読んでくれているのか?!

紙ベースの日報であっても、上司が丁寧に読み、コメントをしたり、内容をピックアップして朝礼やミーティングで皆に共有しているなら、それは意味を感じられると思います。しかしながら印鑑やサインがされるだけ。

IT化され、システムに入力する日報であっても、せっかく一生懸命書いた内容が、誰からも反応されず、ただただテキスト情報として蓄積されていくだけ。IT化されている分、データを検索しやすくできれば情報資産としての価値はありますが、本来の日報の役目を果たしているかといえば疑問です。

ちなみに、承認とフィードバックは、できる限りで早く行うことが大切ですよ!
「見たよ」という意思表示だけでも承認になります。内容について感想を述べたり、共感したり、アドバイスをしたり、感謝を述べたりするなどのフィードバックはできていますか?

これをしていないと、けっこうその従業員にとっては徒労感、自然とやる気も下がってしまうかも。

日報をまとめて一気に提出する!

書類を投げ飛ばすひと

こんな一気に書くのも読むのも無理!

もはや日報ではない、かといって週報でもないやっつけ仕事!
書いている本人も、それを見て確認するほうも完全なるやっつけ仕事のケース。

日報は提出することに意義がある。とでもいわんばかりの状態。

毎週、毎月が夏休みの宿題を追い込んでいるような状態。

これはもう、9割読んでいないです。
後から提出したという証拠だけのために会社も個人もやっている感じ。

原因は、もしかすると書式に書くことが多すぎるのかもしれないですし、本当に必要な項目に絞ったり簡素化することも必要かもしれません。もしくは思い切って日報すらやめて違う方法を考えるというのも「働き方改革」かもしれません。

日報は経費の精算のためでしょ

電卓を持つOL

日報ですか?経費を精算するためですよね?

日頃、外回りの外勤営業をする人たち。社用車を使うこともあれば、電車やバスやタクシーなど公共交通機関を使うこともあります。もしかするとカフェや喫茶店で打ち合わせをすることや、何か必要に応じてお土産をお客様のところに持参するようなケースもあるでしょう。

そして営業経費は、販売管理費として経理上でもちゃんと計上し、清算されます。これは当然のことですよね!

ところが、日報が経費精算のためだけに使われているというのです。

確かにその日にどこに行って、どんなことをしたのか、誰と会ったのかなど5W2Hを記録していけば、それは必要経費の理由が明確になります。確かに…確かに理にかなっているように思えます。

しかしながら、日報がその本来の役割を果たしていない職場なために、完全に経費精算のみに使われているのです。
上司に日報を提出すると、ほぼ見ずに印鑑が押されて、経理にまわされて経理担当が印鑑を押して清算。

あれ!せっかく時間をかけて書いた割に、経費精算以上の役割を果たしていない!
これまで出てきたトンデモ日報業務の項目すべてがまとまっているかのような状態です。

日報の運用目的は会社によってさまざま

ワークプレイス

ここまでトンデモな日報の運用をご紹介してきましたが、もちろん日報の運用目的は会社によっても様々です。
業務進捗の把握、人材育成、定量データの把握、情報収集など、多様な目的が存在します。

しっかりと目的を考えて運用してうまく機能すれば、それは良い施策となります。

例えば、以下のようなことを意識できているか、自社・組織・自身の日報の運用をふりかえって見直してみるのも良いかもしれません。

  • 社員自身のふりかえりによる気づきを促せているか
  • 社員同士がお互いの日報から学び刺激を受けられるか
  • 上司が部下の業務進捗に対してフィードバックを行えているか
  • 経営者(上司)が現場の出来事や情報を把握することができているか
  • 現場の問題や課題をいち早く発見することができているか
  • 読んだよということが分かるような承認ができているか
  • そもそも日報の目的が周知されているか

など。

ただ書いているだけではなく、この日報という業務がどんなふうに役立っているのか。
会社や誰かの役に立っているのかということが伝わること。
これを上司や同僚がちゃんと見てくれているということが分かること。
そして本当に会社や自身のために役立てること。

これらができているかどうかが、とても重要だということです。

そもそも日報が必要ないケースも

目標やプロセスを常に共有するという方法

日報というのは、うまく運用していれば、従業員と組織の成長のための日々の改善に役立てることができます。

一方で、日々の業務の進捗(プロセス)が、しっかりと共有されている組織であれば、その日報すら必要がないというケースもあります。

日々の進捗をしっかりと追いながら、できるだけ短い期間で、その進捗確認や課題整理のためのミーティングを持つことで、方向性を合わせたり、目標の見直しを行っていくのです。

それぞれが目標に対して、行動をして、前進しているということが職場で共有されていること。
タイムリーに承認やフィードバックが上司や同僚からあること。
定期的にふりかえり、行動目標を見直すこと。

ビジネス環境の変化が激しく、スピードが速い時代と言われています。
もし、明らかに無駄と感じたり、疑問を感じるような場合は、思い切って業務そのものを見直してみることも必要かもしれませんね!

これもまた「働き方改革」の一部かもしれません。

皆さんの職場では、うまく日々の業務の報告はうまく運用されていますか?
現場でどのような方法をされているか、ぜひお聞かせください!