2020年の日本の働き方の変化は、昨年までは予想もできないものでした。終身雇用制度や年功序列制度など、日本で常識とされてきた制度の崩壊が一気に進み、欧米のような成果主義制度で若いリーダーが指揮をとる企業も珍しくなくなりました。
今回はそうした変化のなかで生まれた、「年上部下問題」に触れていこうと思います。
さて、これを読んでいるあなたは年下上司?それとも年上部下?
どちらにしても、愚痴が言いにくい環境ですね。
「20歳も年下の上司なんてやってられないよ」なんていうと、自分の能力のなさを自分で語るようですし、
「あんなオジサンを部下として扱うのは、面倒だよな…」なんていうと、管理能力のなさを露呈するようで…。上司にも部下にも、ましてや同僚にも本音を言えていないのではないでしょうか。
能力の高い若い世代がリーダーになる。一見素晴らしいことのように思えますが、結果これまで第一線で活躍してきたベテラン層が、若手リーダーの部下につくことになるでしょう。こうしたケースで起こりうる問題が、このような両者のギクシャクした関係です。
特に年下上司からすると、やりにくい場面もあるはず。
しかし、ギクシャクした関係性をそのまま放置してはいけません。リーダーの役目は、部下のマネジメントです。この機会に年上部下との接し方をあらためて考えてみましょう。
若手は覚悟。年上部下は、どんどん増える!
年上部下の増加が避けられない社会構造となった、その背景からみていきましょう。
代表されるのは、終身雇用制度の崩壊です。終身雇用制度の崩壊を見据えて、すでにジョブ型への移行を始める企業も増えてきました。今後、ジョブ型が広く浸透すれば、年齢関係なく実力のある人が上の立場に立ち、ベテラン層でも実力のない人は降格・解雇といったことが当たり前になっていくでしょう。
定年の引き上げも年上部下が増える1つの要因です。定年の年齢は65歳へと引き上げられましたが、少子高齢化社会になれば、さらに引き上げられると予測されます。組織メンバーの年齢に幅ができるというメリットはありますが、そのまま管理職の年齢が引き上がることはないはずですから、次世代に権限を渡したミドル層は年下上司に従って働く機会が増えるのです。
年上部下も悩みを抱えている
年下上司の方々は、「年上部下はやりづらいな…」と思うことも多いでしょう。確かに相手は自分より経験と知識があるし、その分プライドもあるし、やりづらさは感じますよね。でも、あなたが思うのと同じように、年上部下も同じく悩みを抱えています。
「自分には経験と知識があると理解してくれているんだろうか。そこは認めてもらわないと困る」
「あの若い上司が、自分をうまく扱えるんだろうか?」
「いつも言いづらそうにしているけど、こっちもやりづらい…」
年上部下の、年下上司に対するモヤモヤは、「こいつに任せて大丈夫なのか?」という点に集約されがちです。
「そう思われても…」と感じましたか?ですがそこは上司の役目。部下が不安に感じているのであれば、何らかの問題があなたにあると認め、改善を考えましょう。相手が年上だからといって諦めてしまうことは、上司本来の務めである「部下のマネジメント」を疎かにすることに他なりません。諦めずに、年上部下にはどう接するべきか?を考えていきましょう。
年齢差を埋めるのは、年下上司の行動
あなたがどんなに悩んでも、残念ながら、年齢差は絶対に埋まりません。
年功序列社会が根づいてしまった日本では、年齢が気になるのは仕方ないこと。しかし、自分が上司だという強い気持ちを持たなければ、指示出しも曖昧になり年上部下の不安を煽るだけです。“自分が上の立場にある”という意識は、常に忘れないようにしてください。
かといって、自分が上司だ!という意識が先行しすぎるのもNGでしょう。強すぎる意識はやがて態度にあらわれます。へたに”上から感”を出してしまうと、プライドの高い年上部下は頭にきてしまいます。
年上の部下をどう動かすか
年上部下に接するとき、まず頭に入れておきたいのは、その人は”たくさんの知識と経験を持った頼りになる部下“という事実です。
頼れる部分は頼ったうえで、それ以外の部分は他の部下と同じように接しましょう。具体的な指示出しは、年上部下に対しても行うべきですし、リーダーの指導力を見せれば信頼の獲得にもつながります。
ただ、年上部下に対してはあまり細かく言い過ぎないなど、柔軟に対応してください。ときには、「〇〇さんならどうしますか?」と聞くのも効果的です。年上部下も頼りにしてほしいと思う部分はありますから、遠慮なくアドバイスをもらってください。
そして、重要なポイントは、実力がある人だからといって放置してはいけないということ。
「〇〇さんはできる人だから、なにも言わないでおこう」
それは危険かもしれません。
たとえ信頼がベースにあっても、年上部下はあなたが上司としてふさわしいのかを不安に感じています。上司とは、部下全員の先頭に立って指示を出す存在です。その上司に放置されていると感じると、年齢は関係なく不安になりますし、モチベーションは下がり、やがて腐っていくでしょう。
上司という立場にいるなら、誰に対しても誠実に向き合う努力をすべきです。
そうすれば、年上部下もあなたを慕い、正しく従い、ときに陰から助けてくれるはずです。
年上部下は最強の味方
思い切って、年上部下への意識を変えてみませんか?彼ら彼女らは、知識と経験が豊富で、会社にも貢献してきた貴重な人材です。うまく味方につければ、最強の戦力として活躍してくれるはずだからです。
上司が部下へリスペクトの気持ちをもって接しているという状態は、他の部下にも好影響を及ぼします。
うまく人間関係の流れをつくることができれば、あなたの社内評価も上がるでしょう。会社も、年上部下の扱いが難しいことは重々知っています。そんな中で、うまく年上部下と接し、業績の向上にも貢献するあなたの株は、上がって当然です。
年齢を気にしすぎない
年齢関係なく、部下は等しく部下。悪かったことは悪かったと伝えなければいけませんし、よかったことはよかったと認め、貢献度を上げ、伸ばしていく必要があります。
それは、年齢関係なく上司として抜擢された、あなたにしかできない「仕事」です。
「それでもできる気がしない…」という方は、IT支援ツールに頼ってみてはどうでしょうか。
Habi*do(ハビドゥ)は、目標進捗・習慣・タスク・業務報告の共有を行うことができます。目標や業務の進捗に合わせてアドバイスやフィードバックを送ることも可能。忙しいときもスタンプを使って気軽にワンクリックでコミュニケーションをとることも。
会話が不足しがちな年上部下とも気軽にコミュニケーションが取れれば、コミュニケーションコストも下がり、楽になるはずです。
IT支援ツールは「何だか言いにくい…」という感情面の壁をうまく取っ払い、チームの進捗状況の把握をサポートします。年上部下に限らず、部下全体のマネジメントにおいて最大限に力を発揮するでしょう。
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