心理的資本における基本概念のひとつに「エフィカシー(自信と信頼の力)」があります。効力感とも訳されますが、自分ならできそうだという自信のようなものです。
エフィカシーを高めるためには、いくつか方法がありますが、その中のひとつに「心理的幸福」があります。ほどよい緊張感はドキドキ・ワクワクにつながるため、ポジティブなストレスになると言えますが、メンタルが落ち込んでいる時はそれすらも強いストレスになることがあります。
リラックスでき、心地よい・気持ちいいと感じる、癒される、リフレッシュできる、自分なりのセルフケアの方法を持っておくことをおすすめします。
ビジネスパーソンにとって、心のケアの方法を知ること。また、企業として従業員にセルフケアの方法を知ってもらうことはとても重要です。
今回は、セルフケアとはそもそもどういったものであるのか、おすすめのセルフケアの方法、また企業として取り組むセルフケアについてもご紹介します。
セルフケアとは
セルフケアとは、「自己管理」のことを指します。 従業員自らが健康を維持・管理するために自分自身で取り組むものとなります。そのため範囲はとても広く、ウォーキングやヨガといった体力作りから、健康診断といったものも含まれます。
イライラや不安を感じ、憂うつな気持ちになるなど、メンタルヘルスの不調。早期から身体や精神にも様々な兆候が表れます。
早期に対策をとることで短期間での症状改善が図れるものの、メンタルヘルスの知識がない場合には本人すら気づかないことも多々あります。
まずは従業員自身がいつもの自分と「違う」ことに気づくことが大切。心の健康について正しい知識を持つことが必要となってきます。
メンタルヘルス不調を未然に防ぐためにはセルフケアは重要になります。
おすすめセルフケアの方法
セルフケアとはストレスとどう向き合い軽減させるのかということ。プライベートで取り組めるいくつかの方法をご紹介します。
(1)自分自身の心を調整するマインドフルネス
ストレス軽減や集中力の強化などの効果が得られるとされており、アメリカの大手の企業Apple、Googleなどがとりいれたことで注目を集めています。
マインドフルネスを実践することで、自分が何を考え、何を感じているか、自分を理解することに繋がります。また日々の生活の中での気づきも増えるので、日常生活が楽しく感じられるようになります。
Youtubeでやり方を教えてくれる動画が配信されており、またアプリも多く公開されています。まずは気軽にチャレンジしてみることをおすすめします。
(2)自分の好きな活動を行う・趣味を楽しむ
自分の好きなことに取り組む、趣味の時間を持つことはセルフケアに繋がります。
仕事から離れた時間を作ることができ、仕事以外の人間関係も広がります。仕事を頑張るためにも仕事以外の時間を持つことは大切です。気分転換をすることで、心は元気な状態を保つことができます。
(3)適度な運動・体を動かす
運動はネガティブな感情(イライラ、不安、怒り)を発散させ、睡眠のリズムを整えます。適度な負荷で「すっきりした」と思える程度の運動に取り組みましょう。
特におすすめなのはウォーキングや軽いジョギングといった有酸素運動。適度に体を動かすことで筋肉の緊張がほぐれ、血液の流れがスムーズに。副交感神経を活発化し、セロトニン分泌を増やすので、ストレスが緩和されます。
(4)笑う・口角をあげる
笑うことで、血糖値の上昇を抑え、ストレスを軽減することに繋がります。
笑うことが心を軽やかにすると分かっていても、落ち込んでいるときに笑うことはなかなか難しいかと思います。そういった場合には口角をあげ笑う表情をするだけでも効果があります。
(5)睡眠
質の良い睡眠は、疲労を回復させ、仕事の生産性を高めてくれます。昨今はコロナウイルス感染症拡大の影響による外出自粛やテレワーク、オンライン授業などによる生活リズムの変化活動が起き、夜型化の傾向、睡眠時間が不足しがちに。睡眠不足が続くと、うつ病や統合失調症などの患者に似た脳機能の変化がみられ、不安や混乱、抑うつ傾向が強まります。
質の良い睡眠、睡眠時間の確保を心がけましょう。
③企業として考えるセルフケア
企業として、休日や労働時間などについても、しっかりと管理が求められます。従業員がいい仕事をするためには、セルフケアに取り組めるよう企業側の支援が必要です。
自分自身で向き合う力
不調を訴える従業員。プライベートだけでなく、職場や仕事にストレスの原因がある場合もあります。まずはその原因に対して前向きに対応できるか、そういった心の状態を従業員が保てているのか、が大切です。
仕事をする上で何か負担に感じることがある場合には、それらを避けるのではなく、何を負担に感じているか明確にすること。そして、それらに自身で対処できることは対処することを実行すること。この実行力が求められています。
従業員一人ひとりが前向きに問題に向き合う力が必要です。こういった課題に向き合い、解決しようとする力は仕事の中でも育んでいくことが大切です。
周囲と取り組む力
また、周囲の働きかけも重要です。自分自身ではどうしようもないことは企業側の仕組みや上司が支援することで、解決に導くようにします。
気軽に相談できるメンターといった存在を企業側が制度として設けることもおすすめです。
周囲と共にセルフケアに取り組める状況を作りましょう。
組織の中での自信・居場所
自分の仕事に対して自信を一人ひとりが持つことも大切です。自信に繋げるためにも、まずはできることからトライする。そこで成功体験が生まれ、次から次へと成果が生まれ、やる気・自信に。また、周囲からの承認・感謝といった気持ちを受けることにも繋がります。
組織の中で働くことに自信を持て、居場所として感じることができるようになります。
まとめ:セルフケアを身に付ける必要性
ストレスをためないように予防していくことは大切です。しかし、働くうえでストレスと無縁といったことは難しいのが現実でしょう。
ストレスにどう向き合うのか。ストレスを感じた際に、自分自身でどのようにケアをしていくのか。そういった方法を一人ひとりが身に付けておく必要があるでしょう。
また、会社としてもセルフケアの支援といった目線を忘れずに従業員一人ひとりと向き合うことが求められています。