シーメンスヘルスケア株式会社
  • 会社名:シーメンスヘルスケア株式会社
  • 業務内容:医療機器の製造販売
  • 利用用途:健康意識向上施策の実施
アンケート回答者の94%が健康活動の継続意志!全従業員を巻き込んだ取組から見えた成果と課題とは?

ヘルスケアテクノロジーのパイオニアとして、より高度で良質な医療を実現するための事業をグローバルに展開されているシーメンスヘルスケア株式会社様。

この度、会社をあげた健康意識向上施策として、Habi*doを使った「健康100日プロジェクト」を実施くださいました。
事務局として、この一大プロジェクトを推進してくださった金子様と柴田様にお話を伺いました。

健康施策を望む声に応えるかたちで

――ご関心を持たれた背景について教えて下さい。

私どもはヘルスケアの会社ですので、従業員が健康意識を高く持つ重要性がありつつも、会社として特段の施策を実施できていませんでした。

社員を対象としたサーベイで健康施策を望む声があがったのをきっかけに、トップマネジメントの意向もあって検討を始めました。
いろんなサービスを検討していたところ、このHabi*doを使った「健康100日プロジェクト」をJTBベネフィットさんにご紹介いただきました。

今回の取組みは「健康経営」を目的としたわけではありませんが、意識の中にはあります。社員が健康になることで、結果としてビジネスにおいてもプラスの効果があればと思っています。

チームのコミュニケーションを重視して導入

金子さんと取材に同席したJTBベネフィットのご担当者

――他に検討されたサービスと比較して、どんなところに魅力を感じていただいたのでしょうか?

他のサービスが基本的に個人の活動を通して健康推進するものなのに対し、「健康100日プロジェクト」は、チームでコミュニケーションを取りながら実施するという点が他にない大きな魅力でした。

コミュニケーション自体が、健康増進に繋がるというデータもありますしね。費用のことだけ言えば、正直、他のサービスの方が・・・というところもあったのですが(笑)、社長も、チームでコミュニケーションするというところに強く関心があり、ぜひやってみたいということになりました。

本当は、社長は100日ではなく365日の取組みにしたいと言っていたのですが、まずはきっかけ作りの100日間、ということで、プロジェクトとして実施することになりました。

従業員全員1,564名を対象として実施

――対象者やプロジェクトの運営はどのようにされていましたか?

シーメンスヘルスケア(株)と、シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)に所属する正社員、契約社員、派遣社員、Expatsなど、従業員全員1,564名を対象として実施しました。

実施においては、以下の3つを主目的としました。

  1. 健康増進の意識を持つこと
  2. コミュニケ―ションを活性化すること
  3. 楽しく心身ともに健康になること。

チームで興味関心の共通項を持ってもらうため、チーム分けも工夫しました。事務局で任意に作った40種類のチームの中から、興味があるチームを個人が選択し、人数が多い場合は事務局にて複数グループに分割して、合計163チームに配分して実施しました。

社内の実施要項やチーム紹介資料

例えば「写真を撮ろうチーム」や「発酵食品チーム」など、様々なチームを作りました。写真を撮るために歩いたり、発酵食品を調べることをきっかけに健康知識が広がる、など、小さな興味の入り口から健康意識が広がればと考えました。写真を投稿すると、コミュニケーションが活発になりやすいので、実際に活動が盛り上がっていましたね。

また、100日間取り組んでもらう「習慣」は、全社共通の2項目と、各個人で設定する3項目の合計5項目という形で運用しました。全社共通の項目は、①ウォーキング、家事等で体を動かす、②健康の話題で誰かと会話する、という比較的誰でも取り組みやすいものを設定しました。

事務局としては、ミカさん(バーチャルガイド/100日間の活動応援サポーター)とは違う視点で、ヘルスケアに関連する投稿などを中心にサポートしました。Habi*do上だけではなく、全社メールで「活動報告」として積極的に活動している人やグループをインタビューした内容を紹介したりもしました。

実施の中で見つけた組織課題

――実施されていく中で、課題はありましたか?

一番大きな課題は、皆をどう参加させるか?という点でした。
健康に携わる企業として全従業員を対象として実施したのですが、こうした活動に最初からネガティブな意見を持っている人も一定数います。また、忙しくて参加どころでは無い、健康は二の次など健康意識の低い従業員もいます。

しかし、こうした従業員こそ健康意識を高く持ってほしい対象です。そこで、チーム所属も含め、登録自体は全員とし、参加はいつでも自由という方法を採用しました。忙しい方たちが、少しでも時間のあるとき、興味を持った時に気軽に参加できるようにとの配慮です。
しかし、「登録自体は全員」ということを誤解した方から、「強制参加なのですか?」という問い合わせが複数入ったんです。そのため「強制ではない」ということを強調してスタートせざるを得ませんでした。そのため、参加しないという従業員が増えてしまったかもしれません。

実施後のアンケートでは、活動に賛同しない人を巻き込むためにも、強制にした方が良かったのではないか?という意見もありました。健康意識の高くない人にこそ参加してもらいたいという想いがありましたが、簡単なことではないと痛感しました。

柴田さん

もちろん、アンケートの中には「今まで健康に関心がなかったが、この取り組みを通して健康意識が高まった」「ミカの健康情報が勉強になった」という前向きな意見もいくつも見られました。

プロジェクトを通して健康に関心を持つ人が増えたのも確かです。皆が忙しく仕事をしている中での活動なので、その中でどう活動に参加してもらうのか?まだ答えはないですが、これからも検討していきたい課題です。

94%が今後も続けたい

――実際に「健康100日プロジェクト」を実施されていかがでしたか?

終了後に表彰式を行い、〇〇賞といった形で活動のいろんな側面を評価して結果を公表しました。表彰式の時まで社長がどのチームにいるのかは内緒にしていたのですが、社長自身も所属チームの中で楽しんで活動したようです。

積極的に参加してくれた人は、皆さんとても楽しんで活動してくれました。アンケートの回答者の)94%が「今後も健康活動を続けたい」と答えてくれています。「無理だと思っていた目標が達成できた」「健康改善できて、プロジェクトに感謝している」といった嬉しい報告もありました。

続けたい、94%

「知らない人とコミュニケーションができた」「部署を超えた仲間ができた」など、コミュニケーション面での成果もありました。普段、人的交流や仕事上の接点が全くない人たちが同じチームになることで、新たな交流が促進されました。同じビル内にいても顔も知らない同志が、このプロジェクトを通じて一緒に食事をしたり仲良くなったという話を聞いています。

あとは、先ほども申し上げたとおり、活動にネガティブな意見を持つ人や、健康意識の低い人の巻き込みは残った課題ですね。社員が1500人いるといろんな意見を持つ人がいますし、外資ということもあって欧米人も一定数います。日本人と比較して、欧米人は強制されることを嫌う人が多いので、そこへの配慮や対応は課題だと考えています。

社員の新たな側面の発見も

――その他、このプロジェクトによる成果や影響があれば教えてください。

金子さん

この人って、こんな特技があったの?っていうような驚くような発見がありました。

知らなかった意外な側面とか、隠れた才能が見えたというのはとても面白いと思いました。チーム内だけでなくみんなで共有できるような取り組みに発展できるといいなと思いますね。Habi*doにはタグ機能があるので、それをもっと活用するという案もあると思います。

――今後の取組みについて、どんな展望をお持ちでしょうか?

こうした健康活動を1回で終わらせてしまうのではなく継続していきたいという風には考えています。積極的に参加した人はみんなとても満足してくれたように思います。アンケートでも、「会社として継続的に実施して欲しい」、「次回もぜひ参加したい」といった、非常に前向きな声がいくつもありました。そういう声は大事にしていきたいですね。

社長によるマネジメントレビューでも健康増進のための取り組みは、2018年度も継続するようにとの指示がありました。新たなアイデアを取り込みつつ、次のステップの健康活動に取り組んでいきたいと思います。

「健康施策をやってほしい」という意見がありつつも、実際にやってみると「なぜこんなことをやらなきゃいけないの」というようなネガティブな意見も上がります。会社としてどのような位置づけで実施するのかを明確にして進めていけたらと思っています。

ナレッジシェア、営業、5S活動などにも

――ご利用いただいたHabi*doについて、何か活用のアイディアはありますか?

実は、営業メンバー同志のナレッジシェアは課題なんです。専用のポータルもあるんですが、みんな見にいかなくて廃れてしまっています。また営業上のKPIを回していくのにも向いているように思います。スマホでも気軽に見られるので、Habi*doはこういった営業部門での活用可能性はあると思いますね。

それから、我々の機械は医療機関に設置しているのですが、そこでの5S活動があるんです。当たり前にやるべきことを日々習慣的に実施していく、改善内容などをタイムリーに共有するといった活用は十分にイメージできますね。

担当部門ではないので、すぐにこれに活用するということではありませんが、可能性として検討はあると思います。