シニアが活躍できない会社は危ない? 多様性を生むシニア活用のメリットと課題 | Habi*do(ハビドゥ)

シニアが活躍できない会社は危ない? 多様性を生むシニア活用のメリットと課題

ダイバーシティ

あなたは、「自分は何歳まで働くのだろう?」と考えたことはありませんか?
現在、多くの企業は、60歳あるいは65歳で定年を迎える仕組みで運営されています。

しかし5年後や10年後、その制度自体が大きく変化している可能性は大きいでしょう。少子高齢化による人材不足が一番の理由ですが、そもそも仕事をせずに年金だけで生活できる人は、金銭的にも性格的にも、そう多くはないはず。なにしろ現代の60歳代は「シニアなのか?」と疑問を持たれるほど、元気な方も多いからです。

まだまだ働きたい人でも、一定の年齢に達すると仕事を辞めなければならない、「定年退職」という制度。
この日本ならではの制度は、今後どうなっていくのでしょうか。

未来のことは誰にも分りませんが、「シニア人材をうまく活用した企業が、結局は勝ち残るだろう…」という推測は、おそらく当たるはずです。

必須になりつつある高齢者活用

ロボット・AIなどの機械の導入による省力化、企業内の効率化を進め、人が少なくなっても生産性をキープし続けたいと考える企業が増えています。また、女性、高齢者、外国人といった、今まで主力と考えられていなかった労働力に期待する部分も一段と増しています。

中でも高齢者の活用は大きな課題。国の推奨もあり、再雇用の上限年齢は少しづつ上がってきています。
数年後には、70歳定年制度、70歳からの再雇用が当たり前になるかも知れませんし、定年自体がなくなっていてもおかしくはありません。
シニア活用とはいえ、シニア人材をうまく活用できる環境がととのっている会社は、まだまだ少ないでしょう。

70歳以上のシニア層活用は企業を活性化させる
政府は、来年の通常国会にて「高年齢者雇用安定法の改正案」の提出を目指しています。法案が通れば、雇用年齢は確実に上がり、今までならリタイヤしていた年齢の人も雇いやすくなります。

自社人材の再雇用はもちろん、他社や、異業種で活躍した人材の確保に向けて、企業側の努力が求められるようになるでしょう。そうなると、今までのノウハウだけでは通用しなくなります。

将来を見越して、若い世代を雇用したい…という気持ちは当然です。しかし中途採用の市場において、若年層に対する競争は年々激化するばかり。これからも少子化が改善されることはないため、若者の採用事情が好転することはなさそうです。

だからこそ、若年層の獲得にあくせくするだけではなく、シニア層を登用し、活用する必要があります。

そのためには、まずは「シニア層は使いにくい」という意識を変えなくてはいけません。そもそも、リーダーシップに関する部分は、シニア層のほうが経験は豊富。次世代である貴重な若年層を育てるためにも、シニア層の存在をないがしろにはできません。

ただし、有能なシニア人材は取り合いになります。気が付いたら、自社で活躍できそうな人材が根こそぎ競合他社にとられてしまった…ということのないよう、早急に就業規則や人事制度の見直しをするべきです。
スタートダッシュで活用に踏み切ることで、得難い経験や人脈が豊富な人材が手に入るかもしれません。

シニア人材活用メリットとは?

シニア活用シニア活用のメリットを3つあげてみます。

① 経験や技術が豊富で、即戦力になる・・・人材育成のコスト削減になる。

自社の定年退職者であればなおさら、育成コストはゼロ。そのまま同じ仕事をしてもらえるのは魅力です。
ただし、雇用形態には気を配る必要があるでしょう。フルタイム勤務にこだわらず、時短勤務や自宅勤務も検討し、出勤日数を減らすなど、体調面やプライベートにも配慮すべきです。

② ノウハウ共有・・・若手人材の教育や成長につながる

経験に基づいた知識をフル活用し、若手への教育・指導をしてもらえます。
またノウハウを次世代へ継承させられるというメリットもあります。

③ 労働体制/評価の柔軟化・・・会社の多様性につながる

年齢に関係なく、個人の能力や成果を基準に処遇していくことが当たり前になれば、将来的に会社の多様性が高まっていきます。

ただし、定年後もフルタイム勤務で、仕事の量も変わらなかったとしても、給料体系によってはお給料が減るというケースも出てしまいます。シニア活用を推進するなら、待遇ではなく、成果基準で給与を決められるような制度を構築する必要があるでしょう。また、フルタイム勤務で働く正社員が不公平を感じない制度へ改めることも重要です。

海外ではシニア活用ができている

ミーティング海外事情はどうでしょうか。
海外では定年が廃止されている国が多く、制度自体がないケースが多くみられます。

定年制度が残っているのは、主にアジアの国々。しかし日本と比べると、シニア人材の雇用環境整備ができている国が多いようです。たとえば年金の支給開始年齢と定年制度が連動していたり、平均年齢と年金支給開始年齢も連動しているケースもあります。

日本はどうでしょうか。
政府の方針は、年金だけに頼らず、元気なうちは働いて暮らし、自身の資産形成でセカンドライフを過ごせるような生活設計にシフトチェンジする方向。つまり、よほど十分な資産形成ができていないかぎり、70代でも働かなくてはいけない仕組みになりそうです。

これをネガティブに捉えるのは簡単ですが、「まだ働きたい、働ける」というシニア層が多いのも事実。社会における人材活用という意味でも、「働かなければ暮らせないシニア」ではなく「健康で、もっと社会参画がした」というシニアであれば、どんどん生きがいをもって働ける会社が増えるといいですね。

今のミドル層にとっても、少しでも制度改革を進め、職場環境を整えておくことは、未来の自分や後輩のためになるでしょう。

日本ではシニア人材の受け入れができていない

では、現状の課題と、今からできる受け入れフォローを考えみましょう。

課題①仕組み
高齢者の人材採用の仕組みが、社内で整っていない。
課題②マネジメント
年下の社員が上司になった場合など、マネジメントが難しい。とくに元上司だとやりづらいといった声もある。
課題③体調面のフォロー
本人を含め、同僚にも必ずヒアリングをして、健康管理のフォローをする必要がある。現在のシニア雇用の現場でも、体調や仕事による疲労など、小さな変化を会社が気付いてあげることはあまりできていない。
課題④勤務の多様性
テレワークやフレックス勤務、時短勤務、自宅でできる作業については自宅勤務の選択が可能など、勤務形態を増やし、さまざまな選択ができるようにする必要がある。
課題⑤人材配置
その人は活躍できる場があるか、挑戦と貢献ができるのかを見極める必要がある。定年退職したからと、そのまま継続雇用し続けるだけでは、生産性は上がらない。

特に課題⑤については、会社から「辞めて欲しい」とはいいにくいケースもあるため、はじめのヒアリングが重要になります。

再雇用後はどういった働き方を希望し、どんな貢献ができるのか、そして将来の展望について必ず話し合いましょう。また、どんなシフトで働き、何年を目途と考えているのかや、仕事内容、部署についても双方での話し合いが大切です。再雇用時だけではなく、継続的にコミュニケーションをとり、どう働きたいのかヒアリングし続けましょう。

まとめ:シニア活用がうまくいけば、企業も社会もうまく回り始める

シニア活用は、単に制度をつくるだけではうまくいきません。職場の雰囲気も含め、会社全体で受け入れていく必要があります。
多様性まだトライ&エラーを繰り返す企業体力のあるうちに、シニア人材の確保と若年層の強化、女性や外国人の積極登用など、新しい試みをしてみてください。

シニア登用に向け、就業規則自体を見直したり、待遇や給料での不公平感が出ないよう、柔軟に仕組みを考えてみましょう。シニア人材の活用は、多様性があり、年齢関係なく、仲良くいきいきと働ける職場構築につながります。
年齢や立場に関係なく、風通しの良いコミュニケーションがとれていれば、シニアだけでなく女性や外国人なども含めた、「多様な才能」を活かすことができるでしょう。

関連記事

タグ一覧

現場力を高めるためのヒント、ダウンロードいただけます。

自律的に問題解決をする人と組織。好業績な組織、生産性の高い組織に不可欠なものとは?
概要をつかむためのダウンロード資料をご用意いたしました。ぜひお役立てください。

資料のダウンロードはこちら