若者の価値観を受け留める ~上司の関わり方とは~ – Habi*do

若者の価値観を受け留める ~上司の関わり方とは~

人材定着・離職率低減

労働市場で7・5・3という言葉。
ご存じの通り、中卒、高卒、大卒の新入社員が3年以内に辞める割合です。

原因はゆとり学校教育、核家族化、企業の対応、採用方法の変化など、様々なことが言われていますが、若者の価値観の変化もその一つ。
昔は石の上にも3年、と何事も勉強・修行と捉え3年は腰を据えて頑張ることが大切と説かれていました。しかし現在は、「夢をあきらめない」とか、「いつやるの?今でしょ」とかやりたいことをすぐやりたい若者も少なくないようです。

またもう一つのタイプの若者の例。
長い不況が続き雇用環境が悪い中の雇用。上層部の言うことは聞かないといけない、と指示命令に忠実な若者。自分の考えを加えることをしない(しても無駄と考えている)。

ここ1,2年、このような二つのタイプの若者によく遭遇します。

早期離職の若者~本当のところ~

先日、あるクライアントのキャリア採用面接に同席したときの話です。

20代前半 Aさんの場合

Aさんは前者のタイプの若者でした。
Aさんは20代前半、前職は2年で退職しています。

「前職をお辞めになった理由をお聞かせください」
「やりがいはあったのですが、お客様の多い売り場だったので、次から次へと対応しなくてはならず、じっくりと接客ができなかったのが理由です。」
「会社側には相談しなかったのですか?」
「入社後3ヵ月の時に、上司に接客中心の売り場に移りたいと相談しました。でも急に言われても替えがいないし、無理と言われて・・・。」
「それであきらめたのですか?」
「みなさん忙しそうだしこれ以上言っても無理かと。。。」

確かに企業側の論理でいくと、入社後たった3ヶ月で他の売り場希望なんて早すぎる、わがままだ、となるでしょう。私自身も初めはそのように感じました。
しかし、その後Aさんの当時の仕事ぶりを聞いて印象は変わりました。商品の知識をつけるためにカタログをしっかり読み、わからないことはメーカーの担当者に電話して聞く等をしていました。お客様の疑問解消のために、様々な努力をしている若者でした。

例えば、配置転換を希望する部下に上司が一言、
「今のあなたは接客の現場に入ったばかりです。いろいろな接客のスタイルを修得することが、今の君には大切です。期待された課題をクリアしていきながら、次のステージについてはまた一緒に考えていこう」
というような話し方ができていれば・・・結果は違っていたかもしれません。

20代前半 Bさんの場合

また後者の若者のタイプのBさん。
Bさんも20代前半、まだ大学を卒業して1年少しです。
「私のやり方で現場はうまくいっていたところに、本部がやり方の変更を指示してきました。上司もおかしいよなぁ、と一緒に文句は言うのですが、言われた通りやってと」
「何か提案する、話し合いをするとかはしなかったのですか?」
「上司の言うことを聞かないといけないと思って、何とか自分の気持ちの整理を付けました」
この方は判断や行動のスピード感があり、頭の回転のいい方でした。

やり方に疑問を持つ部下に上司が一言、
「君の考えを聞かせてくれる?」とか
「何かうまくやっていく方法はないかな?」
「本部のやり方に変更するとどういう影響が考えられると思う?」
とか、本人に考えさせる言葉を発していれば・・・Bさんの意識や行動は変わっていたかもしれません。
現在もこういうものだ、と仕事をしてしまっています。

部下の成長 上司の関わり方の重要性

関わりもちろんこのような言葉を掛けなくても自律して行動する若者もいると思います。
しかしながら上司が関わり方を少し工夫するだけで成長をしていける若者が大半だと私は思います。

ゆとり教育のせいや価値観の変化のせいにせず、企業側の論理を押し付ける前に、上司が先入観なく若者をしっかり受け留める。このことが若者を育てていく唯一の方法のような気がしてなりません。

株式会社パーソナルヴィジョン研究所 代表取締役。
1984年神戸大学教育学部教育学科卒業後、株式会社ワールド入社。人事課長、組織活性化プロジェクトリーダーとして、採用・教育・ 配置・海外人事、国内関連会社(約15社)の設立・ 合併人事業務を企画・推進。2000年、人材開発コンサルタントとして独立。主に人事コンサルタントとしては企業理念・人事制度設計、組織風土診断、マネジメントの強化支援を中心に、 キャリアコンサルタントとしてはキャリア開発を基軸とした人材育成の支援、キャリアカウンセリング、就職支援業務を専門領域に活動。 また人事マン育成を今後の課題に掲げて様々な支援に取り組んでいる。

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