部下との1on1ミーティング、「ネガティブなことは言うと部下のモチベーションを下げるから、できるだけやめた方がいいらしい、とは聞いたけど・・・でもさ、やっぱりダメな部分とか、もうちょっと頑張ってほしいとことか、言うべきことは言わなきゃいけないし・・・どうすりゃいいの?」
そんな風に頭を悩めている管理職、リーダー、マネージャーの方は多いのではないでしょうか?
1on1(ワンオンワン)ミーティングとは、簡単に言えば「1対1で対話の場を持つ」こと。この1on1ミーティングがどうやらマネジメントに効果的らしい、ということで、今多くの企業のマネジメント現場で活用されているところが増えています。
一方で、冒頭のボヤキのように、「どうすりゃいいの?」という戸惑いを持ったまま、
- 評価者面談の名前をただ「1on1」と変えただけ。評価を伝えて「もーちょい頑張れ」って激励して終わり。
- 業務進捗を聞いてたら、→なぜできてないかを確認する(詰める)→ダメ出しする流れに陥ってしまい、後味の悪いミーティングと化している。
- ネガティブなことは言っちゃいけないと思うと、当たり障りのないことをなんとなく伝えて、結局何も変化を生まない無駄な時間になっている。
なんてことになっているケースも多いようです。お互いの貴重な時間を割くには、これではもったいないですね。
この1on1で目的としている「対話」は、本来、主に以下のような目的で行いたいものです。
- 部下の困りごとや悩み(成長や行動を阻害している要因)を一緒に解決し、次のアクションを明確にして、部下の成長を促進する
- 相互の信頼関係を高める(上司がちゃんと仕事を見てくれているという安心と信頼を高める場)
そのためには、部下が率直に相談できる関係を構築して部下の強みを引き出すためのポジティブなフィードバックはもちろんんこと、部下の課題を糧にしてさらなる成長を促進するためのネガティブなフィードバックも時には必要でしょう。
では、部下のモチベーションを下げない、ネガティブなフィードバックの方法ってあるのでしょうか?
ネガティブフィードバックの3つのコツ
私も愛読させていただいている中原淳教授の記事によれば、
ネガティブフィードバックをするときにおいても、以下の3点に留意すれば、モティベーションを下げちゃうことは少なくなる、としています。ネガティブフィードバックについて留意したい事項は、以下の3点です。
1)ネガティブフィードバック内容に、どのように改善すればいいかについての内容が含まれている場合
2)ネガティブフィードバックが、きちんとした基準によってなされている場合
3)ネガティブフィードバックが、対面環境下でなされた場合
とのこと。
1on1という対話の場で行うことを想定すると、3)はなんなくクリアできそうですね。とすると、残る2つがポイントになりそうです。
具体的な改善案
1)の「どのように改善すればいいかについての内容が含まれている」と言われると、上司側が正しい改善策を提示できなければいけないと、プレッシャーに感じる人もいるかもしれませんが、むしろ「どのように改善しようか」と、一緒に検討する時間を持つことこそ、価値のある対話になります。
単に「これじゃダメだよ」と言いっぱなしにして、「あとは自分で考えろ」と放置するのではなく、一緒に考える姿勢を持つだけで、「ダメだよ」の一言が、単なるダメ出しではなく、自分がより良くなるためのありがたい提案に聞こえてくるのではないでしょうか。
客観的な基準を持つ
2)の「きちんとした基準によってフィードバックされている」とは、つまり、気分や個人的な好き嫌いで言われていると感じると、相手は素直に受け取りづらいということですね。
「どうせ上司は私のことはわかってくれようとしない」、「わからずやの上司に当たって私は不運だ」、そんな心象を抱かせてしまうと、どんなに良かれと思って言った言葉も届かなくなってしまいます。
これは、基準を客観的データで示さなければならない、ということではなく、「あなたの~という言動は、〇〇という誤解を招く可能性があるので(あなたの本来の力を発揮させなくさせているので)もったいない」といった文脈を用いて、具体的に相手にとって不利や損を招く可能性を伝えることで、あなたがこのネガティブフィードバックを行った根拠を明示することができるのではないでしょうか。
いずれも、前提として1on1ミーティングは「お互いのため」だという認識を持って対話を行うことがポイントですね。
上記の3つのコツを参考にしつつ、怖がらずに(!)ネガティブなフィードバックも必要に応じて活用しながら、両者にとって有意義な1on1ミーティングにチャレンジしていただけたらと思います。
1on1ミーティングの手引きの資料もご用意していますので、よろしければダウンロードください。