Habi*do通信

営業力を強化するには~成果が出せるチーム・組織とは~

継続的に成長し続けるための課題である「営業力の強化」。

営業は個人の活動。営業それぞれのカンやコツ、そしてその営業自身の経験、それらによって営業成績が左右されている。
知らぬ間に一部の営業の属人的な手法により売り上げが担われているとしたら…担当者が配置換えになったり退職した場合、部門の危機を越え組織全体の危機にもつながりかねません。

なかなか売り上げが伸びない。
目先の売り上げや数字に気をとられるばかりに、肝心の営業力がまったく強化できていない。むしろ、ロープレをしても声掛けを頑張っても、営業成績が落ちる一方。そんな悩みを抱えているマネージャーや経営者の方々も多いのではないでしょうか。
営業力強化と安定的に目標を達成するには何が必要か、考えていきましょう。

営業活動に必要な知識・スキルの共有

全ての営業メンバーが売り上げをどんどん上げ続けているのであれば問題はありませんが、そうはいかないのが実際のところだと思います。
個人レベルでの管理が行われがちな営業活動。
属人化が進めば進むほど配置換えや退職といった場合の引継ぎがうまく行われず、場合によっては顧客に対しても迷惑をかける、会社の信頼を失うことにも繋がりかねません。

記録する
■取引先・コンタクト・顧客管理
企業や担当者の情報、商談の履歴・進捗
■目標管理
組織と個人の目標と、目標の進捗や達成度合い
■案件管理
商談日、取引先、営業担当者、商材、商談経緯、商談内容、案件の進捗受注の確度(見込度)、受注予定日、売上予測額(見込額)、営業の行動履歴
■行動管理
営業が取った行動の内容、担当者、フェーズ、改善施策と実施結果、使った資料(提案書など)

営業活動の記録を他メンバーが見れる形(SFA、SNS、社内向けWebサイトやイントラネット、ファイルサーバーなど)にします。これにより、「いつ」「誰が」「どんな案件を」「どのように処理したのか」を全員で共有できるようになります。
営業メンバーそれぞれが時間をかけて行ってきた営業活動、そしてノウハウを社内の資産として共有蓄積すること。また、営業活動をチームメンバー皆で振り返ることで活動を分析し課題を抽出することができます。

ノウハウの共有は新入社員や若手社員の育成にもつながります。

結果ばかりでなくプロセスをしっかり見て評価すること

営業メンバーがもっている売上目標やノルマ。営業活動によるアウトプットに注目し、評価することはもちろん大切です。
しかし、成績が振るわず、目標達成につながらない営業担当に対しては、上司による経験や勘といったところの助言といった対応しかできないでしょう。
営業担当者の経験や素質による成果のばらつきも大きくなりがちです。
分析
営業活動には、見込み客へのアプローチや訪問、見積り・提案書の提出、価格や納期の交渉、受注又は失注、といったプロセスがあります。これらのプロセスで発生するアクティビティに着目し、訪問件数や見積り・提案書提出件数などを用いて、営業担当者を評価します。

これらのプロセスを評価していく上で、売上や利益などのアウトプットに結び付くアクティビティを明確にすることができれば、目標未達の営業メンバーへの適切な助言やアドバイスをすることができます。営業活動の標準化を進めることができ、営業成績のばらつきも減ってくるでしょう。組織としてチームとしての営業活動を推し進めることが可能になります。

さらに営業活動を強化するためには

営業活動の全体が可視化されると、営業力の強化に重要なのは他の部分にも問題がある、ということも分かってきます。

営業の持っている案件自体が少ない、余力が残っている。
マネージャーの配分の問題もあるかもしれませんが、そもそもリード数が足りておらず、営業を行う先がないのかもしれません。
そうであれば広告やマーケティング活動をより強化し、見込み客の獲得に向けた施策をうたなくてはなりません。

確度の高い営業機会数が少ない。
いくらリード数が多くても、カスタマイズもなく一律の提案ばかりをしているようであれば、確度の高い営業機会を得ることはできません。
営業メンバー自体の提案力といった問題もさることながら、そもそも基本の提案の型をしっかり固め、共有できていることが必要です。
また、メールやコール等フォローを強化していくことも重要になってきます。

チーム
チームとして営業対応していくこと。

営業とは単純にモノを売ってくるのではなく、顧客のニーズを満たすことを行っています。そのニーズを満たす手段として自社の商品・サービスを紹介し、その結果として購入してもらっているのです。
お客様のニーズを満たすために、スタッフ一人ではアイディアも解決法もでない、ということも多いのではないでしょうか。
チームみなでプロセスを共有、そしてアイディアを出し合い課題を解決していくこと、が効果的です。

また、毎月売り上げ目標達成をしていくには、目の前の売り上げを上げることだけでなく、次に売り上げにつながるリードの育成が必要となります。
営業メンバーはわかってはいるもののそちらにまで手が回らない、またそもそも営業メンバーの得意はクロージングです。マーケティング部門が顧客育成を担い、お互いにうまく連携していくことが、成果につながります。

まずは営業は組織・チームである、ということを理解しましょう。その上で何が今自分のチームに足りないか考え、一歩ずつチームを作っていくこと。これこそが営業力の強化につながるのです。